2008年11月30日日曜日

マインドマップ読書術

本日は、フォトリーディング講座の中でも使った、読書時のマインドマップ活用について深堀りするために、以下の本を読んでみました。



読書におけるマインドマップの使い方に特化して書かれているので、「マインドマップって何だかよくわからん」という人にとっては、まず読んだ本の内容を使って書いてみるのは良いきっかけになります。これはそんな人には特に役立つ本ですね。中央に本の名前、そこから本のサブテーマの枝を伸ばしてみたり、本に対する5W1Hを書いてみたり、自分の閃きを追加してみたりと、マインドマップの使い方の具体例が書かれています。また、いくつかの良書について、それらに対するマインドマップの例を挙げながら触れている部分も、なかなか良いです。ちなみに、その中のうちの1冊である『トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ!』は、私も既に手元にあり、近いうちに読む予定です。

また、読書をした内容を何かしらの形でアウトプットすることの意義を、著者の経験を踏まえて主張されている部分は、説得力があります。特に「出せばなる」という著者の言葉は、勝間和代さんがいろいろなところで主張されていることにも似ています。インプットだけじゃなく積極的にアウトプットすることが、果ては人生まで変えうるということですね。私もマイペースではありますが、まずはこのブログを続けることで世間にアウトプットしていきたいと思います。

2008年11月29日土曜日

頭がよくなる超読書法

本屋に重ねられていたのを見て、つい買ってしまいました・・・。



題名からして、今はやりの「頭がよくなる」とか「超~法」というもので、他の類似書籍とあまり変わらないかなという先入観もありました。しかし、本書では著者の佐々木氏が苦労して速読法の原理、つまり、既に速読ができている人とそうでない人の脳の働きの違いを具体的に説明しており、非常に説得力があります。しかもそれは結局フォトリーディングフォーカスリーディング等の手法に繋がるもので、「なるほど、こういう原理でフォトリーディングができるようになるのか」という新たな発見がありました。

特に具体的に「なるほど」と思ったのは、読書における脳の使われ方です。ちょっとネタばれになってしまいますが、本書では速読できる人とそうでない人の大きな違いとして、頭の中で「声に出して」読んでいるかそうでないかが挙げられます。その違いは、前者における情報の流れが、

  脳の視覚野→左脳角回→ウェルニッケ野→視聴野→
  ウェルニッケ野→左脳角回→右脳後頭部

という順序で情報が流れるのに対して、後者における情報の流れが、

  視覚野→左脳角回→右脳後頭部

というように、脳の回路の一部をショートカットするという点であると述べられています。しかも、右脳の力は左脳の数十倍あるということがわかってきていますので、迅速に右脳に情報が伝達されるというのは、右脳の力を十分に発揮するのに効果的であるということなのです。

これをメソッドとして行っているのが、フォトリーディングでありフォーカスリーディングであり、本書で紹介されている速読法で、結局原理はすべて同じであることがわかります。

ではそういう読書の方法に切り替えるにはどうしたら良いか? 本書では、小学校・中学校くらいの時期に多くの読書、特に小説など想像力を使うようなものを数多く読むということ、また、想像力を高めるために読書以外のより多くの経験を積む、ということが挙げられています。ただ、これらについては大人になってからでも十分できることだということも付け加えられていますので、興味のある方はぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。

2008年11月27日木曜日

自宅PC

自宅のPCのメモリを1GBから4GBに増やしたら、VMware上のバーチャルマシン2台に同時にUbuntuをインストールしながら、MindManagerでマインドマップを書き、さらにFirefoxでブログがすらすら書けるという素晴らしい環境になりました。

メモリ増設のきっかけはハードディスクの故障。どうせハードディスク新しくするなら、ということで。そういう意味ではハードディスクのキャッシュメモリも2倍になったので、それもかなり寄与しているかもしれません。

うーん、でもここまでいろいろいっぺんにできてしまうと、一つのことに集中できないな・・・なんて贅沢な悩みですね・・・。

2008年11月26日水曜日

再び西本智実先生の練習

昨晩は東響コーラスの練習。西本先生智実先生による練習はこれで二回目。今回はオーケストラとソプラノの澤畑恵美さん、アルトの林美智子さん、テノールの経種廉彦さん、ベースの宮本益光さんの4人のソリストとのリハーサルでした。

実は西本先生と東京交響楽団の第九の演奏会は、いくつかの合唱団とそれぞれ別の日程で演奏会を行う予定になっていて、練習はそれらの合唱団が一斉に集まって行われています。合唱団だけでも総勢500人くらいでしょうか。練習会場は川口リリアのメインホールだったのですが、当然ステージに全員乗れないので、西本先生がステージの一番後ろに立って、オーケストラは客席とは逆の向きに並び、コーラスは客席で歌うという、何ともやりにくい状況でした。しかも西本先生を写真に収めようという(恐らく東響コーラス以外の)ミーハーなコーラス団員がいて、練習中の写真撮影は慎むように注意される程。もちろん西本先生や東京交響楽団、ソリストの皆さんにとっては、一般市民と一緒に演奏会をすることはファンを増やす良い機会なのでしょうけど、ちょっとこの状況には閉口です。こういう感じで練習に臨むのは、プロとして良い演奏を目指す人たちに失礼ですし、何よりお金を払って聴きにくるお客さんに失礼。アマチュアとは言え、遊び半分ではなくできる限りの努力はして欲しいところです。

少し愚痴っぽくなってしまいましたね。ちなみに11月30日(日)の演奏会そのものは、合唱は東響コーラスのみです。団員として言うのも何ですが、東響コーラスは恐らく国内で最も第九が上手い合唱団のひとつです。残念ながらチケットは既に完売のようですが、聴きにいらっしゃる方は楽しみにしていてくださいね!

2008年11月25日火曜日

東京交響楽団こども定期 ~ 約3年ぶりの第九

先日の土曜日は、東響コーラスでの久々の第九コンサート。私にとっては2005年の「エルガー:ゲロンティアスの夢」以来約3年ぶりのステージとなりました。

今回は「こども定期」の最後を締め括る演奏会で、大友直人先生による解説付きの公演。大友先生のベートーベンが晩年、どういう思いでこの第九の第4楽章を書いたのかについての語りで、合唱団員としてもより思いのこもった演奏になったのではないかと思います(一応プロのオーケストラの演奏会ですので、世間では賛否両論あるかとは思いますが・・・)。

大友先生が演奏会の中で仰っていた通り、テレビもインターネットも無いベートーベンの時代に、これだけの大作を他人からの依頼ではなく自ら手がけたという偉業は、尊敬に値することです。それまで金持ちのパトロンの存在で成り立っていた音楽を、自ら筆を取って作曲するという、ある意味でリスクの大きいビジネスに取り組んだという精神。細部まで練りに練られた大曲。私でさえこの曲をこれまで数え切れないくらい聴いて、数え切れないくらい歌っている訳ですが、プロの音楽家でない私にも、その生き様や音楽そのものから学ぶことは非常に多いです。

また、オーケストラ、4人のソリスト、大合唱団を軽々とまとめ上げる大友先生からも、毎回のことながら多くのことを学びました。自分も学生の頃大学の合唱団の指揮者をやっていた経験もあることから、これだけの人たちをまとめ上げることの大変さは多少なりとも理解しているつもりではありましたが、大友先生(だけに限ったことではありませんが)は、曲に対する誰よりも深い理解と思い入れを持ちつつ、軽々と操ります。そこにはやはり「マエストロ」と呼ばれるだけのものがありますね。

次回は府中の森芸術劇場での西本智美先生との第九。恐らく大友先生とは全く違った「世界」が作り出されるかと思うと、今から興奮を抑えきれません。

その後もあの「のだめカンタービレ」の指揮指導でも有名な飯森範親先生や、巨匠秋山和慶先生との第九コンサートもあります。それぞれのコンサートでお客様に良い音楽を届けるのはもちろん、自分自身も音楽的・人間的に成長できればなぁと思います。

2008年11月23日日曜日

夢をかなえるゾウ

ドラマ化されてまた売れ出したというこの本を、発売当初買っていた妻から借りて、今頃読みました。(ちなみにドラマも全く見てません…)



この本では24個の「課題」が提示されていますが、本書にも書かれている通り、それらは他のいわゆる自己啓発本に書かれているものと殆ど同じです。ただ、それらの課題のひとつひとつを、ごく一般的サラリーマンと思われる主人公が取り組んで成長していく過程からは、他の本からは得られない何かを得ることができたように私は感じました。

「課題」の中で、私が今後得にに実行したいのは「プレゼントをして驚かせる」「人の成功をサポートする」「感謝する」の3つです。要は他者に対するプラスの働きかけ。これまでの私は、自分のやりたいことの実現に関することばかりやってきていたように思います。一方、発売と同時に(正確にはアメリカからの注文なので1ヶ月程遅れてですが)本書を読んでいた妻に影響され、最近になって「寄付する」ということを多少ですが心がけはじめました。(これは寄付が日本よりも一般的なアメリカに住んでいたということも影響しているかと思いますが)

ドラマや舞台ではまた違った「課題」が提示されるようなので、そちらも気になるところですね。

ハードディスク破損

私の愛用デスクトップのメモリを1GBから4GBに拡張すべく、メモリの交換をしていたところ、誤ってハードディスクからマザーボードに接続するためのコネクタを破損。ハードディスク自体は快調だったのですが、コネクタの状態を見ると完全に復旧不能。仕方がないので新しいものを発注しました。

でも、実は現在そのパソコンをハードディスクなしで使ってこれを書いています。ちょうど手元にあったUbuntuを直接CDROMからブート。細かいところで若干の不便さはありますが、Gmailのようなサーバアプリケーションが浸透してきている今、ネットワークに繋がってブラウザさえ動けば、殆ど何でもできてしまいますね。

とは言え、私はこのパソコンで4台分位の仮想環境を構築する予定なので、やっぱりハードディスクは必須です。早く届かないかな。。

世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本

さて、本日は営業本の5冊め、あの和田裕美さんの本です。



和田さんの著書の多くに見られるように、ご自分の豊富なご経験から非常に説得力のある内容となっています。それに、何といっても典型的な営業本にある「こうすれば絶対に売れる」という感じの論調が全く見られない点に、私は非常に好感を覚えました。

本書は営業職の人だけでなく、日常のコミュニケーションをより良いものにしたい人、自分の「好感度」を上げたい人、夢を実現させたい人などにも、非常に役立つ本だと思います。例えば、「嘘の無い気持ち」や「共感してもらうことが重要」、」聞いて、聞いて、聞いて、話す」、「目標というのはひとつの山だけではなく、次から次へと連なる山脈のようなもの。目の前の現実的な目標の達成を積み重ねることが重要」といったことには、営業職の経験がない私でもすぐに実践できそうなことです。

先日和田さんが最近書かれた「人づきあいのレッスン」を私は先に読んでしまいましたが、本書等で和田さんのご経験・ご経歴をよく理解した上で読んだ方がより入りやすかったかもしれませんね。

凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク

今回は営業本の3冊め。最近出版された「10年後あなたの本棚に
残るビジネス書100
で神田昌典さんが推薦していた本です。



本書で衝撃を受けるのは、冒頭で「お客が欲しいというものを、売ってはいけない」という言葉です。「えっ、折角お客さんの方からわざわざ『欲しい』って言ってきているのに売らないの?」という疑問は、誰でも思うことでしょう。しかし本書を読むと、この言葉に非常に納得させられます。

そもそも、仮にお客さんが「欲しい」と思っていても、お客さんは自分自身が欲しいものを本当に分かっていない場合が殆ど。そもそも、お客さんは口コミや広告などを通して来ていて、実際に生活でその商品を使ったことがないことが殆どということを考えれば、ある意味これは当然ですね。

その後の議論は、これまで読んだ営業の本と多少似たようなところはありますが、本著では、取るべき行動の一つ一つにその意味や意義を明確に説明しているため、「なるほど!」と思わせるところが非常に多いです。

「『私でよければ相談に乗りますよ』というアダルトな対応を取る、といった記述や、過去の経験やそれが今のセールスの姿勢や使命感にどう繋がっているのかを伝える、といった記述は、最近売れている和田裕美さんがおっしゃっていることに近いものがあり、これまた説得力があります。

営業に関するお仕事をされる方にとっては、確かに「自分の本棚に並べておきたい」1冊になるかと思います。

2008年11月20日木曜日

トップセールスの頭の中

さて、今回は営業本の三冊目です。



例えば「DMの宛名を直接顧客に書いてもらう」など、具体的に使えるノウハウが数多く記載されていますが、先日の「ドキドキ初回営業の極意」とは異なり、「ちょっとやり過ぎじゃないの?」というような感じも若干します。特に「制約率から商談数を考える」というのは、「足で稼げ」という伝統的なアプローチで、「ソリューション営業の基本戦略」に書かれているような、いわゆる「パレートの法則(20%の優良顧客が80%の利益を生む)」の考え方とは異なります。確かに商談数を増やせば制約数は上がるんでしょうけど、人間には24時間しかないということを考えると、筆者のアプローチには限界があるということも否定できません。

そもそも題名が「トップセールスの頭の中」となっているにも関わらず、その根拠がどこにも書かれておらず、また筆者の経歴からは、経営コンサルタントの経験はあるものの、実際に足で稼ぐような営業を経験しているように見えません。うーん、ちょっと失敗!?

ドキドキ初回営業の極意

先日読んだソリューション営業の基本戦略に引き続き、営業に関する本を何冊か大人買いしていました。今回はその2冊目です。
#そもそもこの場合大人向けの本だから、「大人買い」とは言わないかな?



著者本人が本書の冒頭で、「昔から人見知りで学校の教室でもトップクラスの無口な子供でした」と書いているように、全体的に謙虚な姿勢を見せつつ地道に営業活動をすることを勧めており、好感が持てます。特に「素晴らしい提案書を持ってくる人よりも『ミスをしない人』が求められている」という筆者の意見には、同感します。大事なのは信頼関係なんですよね、やっぱり。当たり前のようなことも多いですが、これら全てを「ミス無く」実践すれば、確かに顧客は自然についてくるでしょう。

例えばミーティングや宴会でどう座るべきか。最近は「そんなことどうでもいい」という考えの人も多いかと思いますが、これってやっぱり重要です。先日営業経験の長い某社の日本人と、来日していた同社のスウェーデン人の計お二方と夕食をご一緒する機会がありましたが、その日本人の方は自然に「伝統的な」席次になるよう振舞っていました。「さすが」と思ったのは、その「礼儀作法」を、食事中の話題として面白おかしく(?)話されていたことです。外国人に対しては、「そんなに細かいところまで気を配っていたのか」という好印象を与えられることができるので、これはグローバルビジネスでも使える「礼儀作法」ですね。

2008年11月18日火曜日

「できる人」はどこがちがうのか

斉藤孝氏の本で、先日フォトリーディング講師の寺下先生が講座の中で引用していた本です。



「できる人」たちがどのように「できる」ようになったかについて、熱く語られています。卓球やテニス、野球、サッカー、囲碁、徒然草、宮大工、村上春樹氏など、筆者が取り上げる多くの具体例からは、その文章以上のものを得ることができた気がします。人の技術を「盗む」こと、自分のスタイルを築くこと、「感動」をパワーにすることなど、単なる勉強法とは次元の違うレベルで、如何に成長していくべきか、深く考えさせられる1冊でした。

まさに今の自分に必要な内容です。私にとって「盗む」対象となる方を何人かを見つけつつある、というのが現在の私の位置でしょうか。その方々の「技術」の本質を捉え、それらを元に自分自身のスタイルを築くのには、まだまだ時間が必要です。

2008年11月17日月曜日

竹中式マトリクス勉強法

勉強法本ブームの波に、あの竹中先生も乗ったようです!?



あれ程の経歴をお持ちの方ですので、その方の勉強法については賛否両論あるのは、アマゾンの書評を見てもわかります。ただ、勝間和代氏を含めた何人かの勉強法と重なる部分が多いことも確かで、成功者の勉強法としての一定の価値はあるのではないかと私は思います。

また、例えばあのハーバード大学で教鞭を取りつつも英語で苦労したという話は、私のような者が言うのも失礼ですが、竹中先生を少し身近に感じさせてくれます。一方、ネイティブでも相当苦労するようなところに、単身で飛び込んでいくという勇気は、尊敬の念を感じざるを得ません。

個人的には、いろいろな意味で勇気付けられた1冊でした。

2008年11月16日日曜日

読書力 齋藤孝著

本の読み方について考えるにあたって、やはり齋藤孝氏の著書は外せないでしょう。



この本で著者は、「(本の)およそ半分以上に目を通し、要約が具体例を含んで言えるのならば、『その本は読んだ』と言える」という寛大かつフォトリーディング等にも通じる意見を示しながら、読書の大切さについて、ある意味で哲学的とも言えるくらいの思い入れを示しながら語っています。私にとっては、齋藤氏がどれ程の本好きかということを思い知ると同時に、自分もこれくらいのことを語れる程に読書を極めたいと思わせる1冊でした。

2008年11月15日土曜日

本を読む本

本日の1冊は、多くの人が名著と呼んでいる本です。



本書においても、本を読む目的を明確にすること、本を読む前にまずその本の構造を理解すること、キーワードを抽出して著者がどのようにそのキーワードを使っているかを、前後の文章を読んで理解すること等、私の受講した「フォトリーディング」や、先日紹介した「フォーカスリーディング」に共通した部分がかなりあります。

本書の良いところは、フォトリーディングでは「右脳の力の活用」、フォーカスリーディングでは「訓練」と、ある意味で単純に割り切ってしまっていた部分について、その背景にある考え方を過去の名著を挙げながら具体的に述べているところです。逆に言うと少し理屈っぽくて難しいとも言えるかもしれませんし、過去の名著と言っても欧米人かつ相当な読書好き以外は知らない書籍の例が多いという点は、かなり本書の敷居を高くしているとも言えます。ただ、本を読むことを極めるのであれば、読んでおくべき本と言える1冊です。

段取り力

さて、遅くなりましたが昨日の1冊をご紹介します。まとめ買いした斉藤孝さんの本です。



「段取り」というと、結婚披露宴の進行などで事前に綿密な打ち合わせを行うといったことが思い浮かんでしまいますが、著者は「段取り」をもっと根本的・本質的なところから捉え、良い「段取り」ができるようにするために重要なことを述べています。

具体的には、①例えマニュアルに従うだけの仕事でも、常に段取りを意識する、つまりどうしてそういう手順になっているのか、改善すべき点は無いかを考えること、②「ビジョン」を常に念頭に置くこと、③「素材」や「制約条件」を意識することが大切であるということです。

①については、トヨタの「カイゼン」の具体例や高級ホテルの従業員などの具体例が挙げられています。トヨタの「カイゼン」については、それこそ多くの書籍やビジネススクール等で扱われており、私もかなり勉強したつもりですが、改めて関心させられました。また、高級ホテルの例では、トイレ掃除で「素手で便器を触って汚れが残っていないか確かめる」というような例が出ており、本書での「段取り」が単なる「手続き」を準備するということよりも遥かに大きなものであることを思い知らされます。

②、③は対比的なことで、著者の他の書籍にある「本質的なことと具体的なことを行き来する」というような考え方に通じるところがあります。例えば何の計画もなしに旅に出て、宿泊先を探して彷徨うことも「段取り」であり、そこにはどんな状況に陥っても動じないという「ビジョン」がある、という記述には「なるほど」と唸らされました。私もどちらかというと細かい準備は苦手で、問題が起きたらその都度対応するというタイプですが、それで何とかなっているということも「段取り力」があると捉えられるのかなと、勝手に(?)納得してしまいました。

③は、特に新たなアイデアを生み出す時の話で、「制約」や「条件」をきっかけにすると「段取り」を立てやすいと著者は述べています。やはり著者の他の書籍に見られるように、ジェームス・ヤング著の「アイデアのつくり方」に通じるところがあります。例として電車のダイヤ編成の生々しい実態が記述されており、狭義の「段取り」とは次元の異なる議論が展開されています。

斉藤氏の著書で面白いのは、やはり詳細な具体例が数多く取り上げられているという点に尽きますね。本人によると、これも「段取り」における「素材」や「条件」になり「自分が頭を抱えて書く部分が少なくなるので良い」と著者は述べていますが、的確な例を使うことで主張が見事に強調されているところは、さすがとしか言いようがないですね。

2008年11月13日木曜日

フォーカス・リーディング

フォトリーダーとして、つい書店に積まれていたこの本を買ってしまいました。



先日受講したフォトリーディング講座でも触れられていたので、「じっさいどうなの?」と思って読んでみました。著者の寺田氏はこの本の中で、フォトリーディングの本質とも言える「右脳」を使うということを否定していますが、やっている内容はフォトリーディング講座や「図解! あなたもいままでの10倍速く本が読める」と本質的に同じと言って良いと思います。やはりポイントは、①目的を明確にして読む、②集中して読む、③全部を読もうとしないでポイントをスキミングする、④このプロセスを習慣化する、という4点です。

また、「耳から読む」という勝間和代さんも取り入れている手法についても本書で触れられているのですが、さらに「スピードを1.7倍から2倍にして聞く」ということも薦められていました。音声ファイルの再生速度を変更するツールはこのサイトで無料ダウンロードできるようです。

実は私も、ビジネススクール受験に向けた英語リスニング力向上に似たようなことをやっていて、多少ですが効果はありました。「音で聞く暇も無い」という方は、さらに再生速度を上げて聞くという手もあります。さすがにそんなに時間の無い人は世の中にいないでしょうけど・・・。

2008年11月12日水曜日

質問力 話し上手はここが違う

昨今「コーチング」という言葉がビジネスでも重要視されてきています。コーチングで重要な要素として、効果的な質問をすることによって本人の「気づき」を促すという点があります。恐らく本日の一冊はコーチングスキル向上にも役立つのではないかと思います。



私が今の会社で新入社員だった頃は、質疑応答の時間には必ず質問をするように指導を受けましたが、出てくる質問はいわゆる「質問のための質問」ばかり。そんな状況に私個人としては疑問を感じていたのですが、本書はその疑問に答えてくれました。著者は良い質問を「具体的かつ本質的」な質問と定義し、その具体例を数多く挙げています。個々の例に目を通すだけでも、学ぶべきことがある一冊だと思います。また、同著者の「コミュニケーション力」でも主張されている「沿いつつずらす」ことの意義と、その具体例にも触れられており、2冊読むことでさらに理解が深まります。古本屋に行けば格安で手に入る、おススメの1冊です。

コミュニケーション力 齋藤孝著

実は先日の「アイディアを10倍生む考える力」を含めて5冊ほど齋藤孝さんの本をまとめ買いしていました。本日はその2冊目です。



この本の良いところは、ある意味で当たり前な一方で忘れがちな人と人とのコミュニケーションにおいて大事なことについて、夏目漱石の「坊ちゃん」や江戸時代の銭湯など、具体的かつ面白い例を挙げているのと同時に、最近の流行とも言えるマインドマップに似た手法を独自に提案するなど、実用的なところです。

コミュニケーションにおいて「沿いつつずらす」ことなど、同氏の「質問力」等と内容が重複しているところもありますが、「ネガティブな意見を言っている暇があったら、アイディアを出せ!」という著者の意見には私個人的に大いに賛成しています。古本屋に行けばタダ同然で手に入る本ということを考えると、お勧めできる1冊です。

2008年11月9日日曜日

西本智実さんの練習

昨晩は私の所属する東響コーラスの練習でした。今回はあの西本智実先生が指導。これは11月30日(日)に府中の森芸術劇場で行われるどりーむコンサート 人類讃歌~ベートーヴェン「第九」に向けたもの。私にとって初めての西本先生の練習でした。

「西本先生は宝塚の男役的な人気が邪魔して、正当な評価を受けられていない」というような噂を聞いていましたが、ご指導は非常に丁寧かつ熱いものでした。(確かに見た目も噂通りですが・・・) 今回はオーケストラではなくピアノ伴奏でしたが、オーケストラと合わせるのが非常に楽しみです。

西本先生の人気を考えると既にチケット入手は難しいかもしれませんが、会場が都心から外れていることもあり、まだ残っている可能性もあります。興味のある方は是非聴きにいらしてください。

2008年11月8日土曜日

アイディアを10倍生む考える力 齋藤孝著

本日の1冊は齋藤孝さんの「アイディアを10倍生む考える力」です。



やはりジェームス・ヤング著の「アイディアの作り方」や、勝間和代さんの本等と同じことが書かれています。私としては、この本を読んで以下の5点が大事なんだなと感じました。

・とにかく常に「考える」習慣をつけること
・集中して考えることが出来る環境を作ること
・思い込みを取り払うこと(所謂「ゼロベース思考」ですね)
・(考えながら)聞く力をつけること
・「具体」と「抽象」を自由に行き来できるようにこころがげること
(これは先日の「コンサルタントの質問力」にも同じような議論がされていました)

また本書の中で、イチロー選手の「自分は天才じゃない。何故なら自分は自分のやっていること全てを説明できるからだ。」という言葉も引用されていました。この手の本の中で優良と言われるもののに、全て同じことが書いてあるということも考えると、成功する人は「やることをきちんと理解して実践できる人」なんですね。

私にとって、これまでのいろいろな本(そして今後読むいろいろな本)を体系的に結びつけることのできた1冊でした。

2008年11月7日金曜日

世界ICTサミット

日本経済新聞社と総務省の共催で行われた「世界ICTサミット2008」で、NTTの三浦社長が同社の世界戦略について「固定(通信)や電力、研究所といったグループのリソース(経営資源)を総動員してサービスを提供していく」と話したという記事が、NIKKEI NETに出ていました。

私個人的に気になるのが、この中に「移動通信」が入っていない点です。やっぱりドコモとは馬が合わかったのでしょうか?内情を多少は把握しているので、これ以上のコメントは避けますが・・・。

オンリーワンは創意である

私の尊敬するある方のブログで紹介されていたこの本を読んでみました。



恥ずかしながら、社名の"SHARP"はシャープペンシルの「シャープ」から来ているということを、今回初めて知りました・・・。

私がかつて勤務していた幕張の某社ビルの隣にもあったこの企業は、こんなにも凄かったんですね。本書では「I型人間よりT型人間を目指せ」という記述がありますが、これはあの世界一の戦略コンサルティング会社であるマッキンゼーで言われていることと全く同じです。やはり世界一を目指すとなると、一芸に秀でることはもちろん、引き出しも多く持っていないとダメなんですね。私もT型人間を目指したいと思いつつ、かつては完全なI型、現在はやや-型になってしまっているなぁと反省しています。

これも恥ずかしながら本書で初めて知ったのですが、カメラ付き携帯もワンセグ携帯も、全て(通信事業会社ではなく)SHARPの方々が発案したんですね。某通信事業者に勤める私としては、ちょっと残念というか情けなくなりました・・・。周りのプレイヤーが世界に通用する技術やアイデアを持ちながら、それが通信事業者の力でコントロールされていた。大変残念なことですね・・・。でも現在はそれもかなり変わりつつあるので、今後に期待です。というか、むしろ私自身も貢献すべき立場ですね・・・。(^ ^;;)

また、私の大好きな本のうちのひとつに、ジェームス・ヤング著の名著「アイデアの作り方」がありますが、その本の中には「新たなアイデアは既存の情報の新たな組み合わせである」と書かれています。組織や会社、業界の壁を越えて、それぞれが持つアイデアを組み合わせると、通信サービス業界でもまだまだいろいろなことができるということを、この本(「オンリーワンは創意である」)で改めて感じさせられました。

いずれにしても、この本にはSHARPという会社が、ソニー等と対極に位置づけられながらも、世界で「オンリーワン」の地位を築いた過程が書かれており、どんな企業でもやり方によっては世界に通用するビジネスができる可能性があると勇気づけられます。また、SHARPという会社が世界の「オンリーワン」になった過程がかなりリアルに書いてあり、そこからはいろいろと学ぶことがあると思います。皆さんにも読むことを強くお勧めできる1冊です。

# SHARPがX68000のようなパソコンを発売したにも納得ができました。
# 当時としては画期的な65535色を表示するグラフィック機能や、
# ウィンドウズ発売よりも前にウィンドウズライク(?)なGUIのOSを
# 提供する(というかOS/2を意識していたのかな?)など、かなり挑戦的で
# 「オンリーワン」な製品でした。高かったけど。

2008年11月6日木曜日

人はなぜ形の無いものを買うのか

さて、早速ですが本日の一冊です。



情報通信サービスにおいて、その課金方法についてはいろいろと議論がありますが、本書では特にYouTubeやニコニコ動画などのコンテンツサイトやSNS、オンラインゲームに関して、統計調査の結果も引用しながら、それらのビジネスのあり方について議論しています。

特に面白かったのは、前半の形のないものに対してユーザは何を求めているのかの分析の部分。多くのユーザにとっては、コミュニティへの帰属意識が満足や癒しに繋がっている一方で、コミュニティに対して適度な距離感を保ちたいと思っているようです。

また、課金方法として、従来の従量課金や定額制の是非、コンテンツ課金(アイテム課金)について、それぞれのメリット・デメリットも分析されています。いずれにしても、ユーザがサービスを継続的に利用するということが重要で、それを実現するためのUCC(ユーザ・クリエイト・コンテンツ)の意義が述べられています。特にYouTubeとニコニコ動画のビジネスモデルの違いの部分は「なるほど」と思わせるものがありましたが、まだまだ今後の動向を中止する必要はありそうです。

ただ後半部分は、ビジネスの可能性としてRMT(リアル・マネー・トレード)の是非が語られているのですが、著者のオンラインゲームに対する個人的な思いが出てしまっていることが否めないように私は感じました。冗長な内容が多く、オンラインゲームをやらない私にとっては、内容を十分に噛み砕くのが難しかったというのが、正直なところです。

いずれにしても、こういう観点で書かれた書籍は世の中になかなか存在しないので、こうした分野に関連するお仕事をされている方は、一度目を通してみると良いかもしれません。

2008年11月5日水曜日

コンサルタントの「質問力」 野口吉昭著

実は、フォトリーディング講座を一緒に受講した人たちと、「毎日最低1冊本を読んでお互いにメールで報告し合おう」ということになりました。ということで今日の1冊。



この本は、コンサルタントとしてクライアントにどういう質問をすべきかについて論じた本ですが、一般的なケースにも適用できる内容です。相手のことを良く調べて仮説を立てた上で、「~と認識していますが、どうお考えですか?」をすべきとのこと。また、仮説を元に事前にインタビューのストーリーを考えておき、かつ相手の反応に応じてストーリーを切り替えられる柔軟性を持つべきとのこと。事例に羽生義治さんの話が出てくるあたりは、内田和成氏の仮説思考にも通じるところがあります。

ロジカルシンキングの部分で、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチをどう使い分けるべきかというところは、図も含めて非常に説得力のある書き方がなされていました。質問する相手によってアプローチ方法が異なり、現場担当者から出てくる問題は、大抵の場合ロジックツリーの末端(枝葉の最先端)になり、ボトムアップで問題点の本質についての仮説を立てると同時に、トップマネジメントへの質問では、予め仮定をおいた本質から掘り下げていく。いずれのアプローチでも本質は同じものになるはずで、ここを早い段階で捉えることが重要。

これだけ気軽に読める仮説思考の本は貴重ですね。どこの書店でも平積みしているかと思いますので、興味のある方は読んでみては如何でしょうか?

米大統領選挙に対して感じたこと

一応2年間アメリカに住んでいたので、今回の大統領選挙には以前以上の関心を持って見ていました。私としては、今回の米大統領選では以下の3つがポイントになったのではないかと思っています。

一つ目は、オバマ候補は選挙活動、特に献金集めにインターネットを使った点。これは民主党代表候補に選ばれる時点もポイントになってました。ではなぜインターネットを使ったのが良かったのでしょうか。私が思いつく理由は2つあって、一つ目は献金という参政への壁が低くなり、小さい金額を気軽に出せるようになった点、二つ目はやはりインターネットの「ネットワーク効果」です。オフラインの「口コミ」だけでなく、オバマ候補のサイトへのリンクを張ったサイトが出てきて、それがより多くの人をオバマ候補のサイトに誘導し、さらにそれらの人が自分のサイトにオバマ候補のリンクを張る・・・といった現象が起きていたのではないかと私は推測しています。

二つ目は、マケイン候補が副大統領候補にペイリン・アラスカ州知事を選んでしまった点。副大統領は、大統領にもし何かあったら大統領になるポジションなのに、マケイン候補は表面的なインパクトばかりを考えてしまったようです。州知事や上・下院議員ならばともかく、大統領というポジションに対しては、アメリカ国民もインパクトだけで票は入れられないでしょう。また、副大統領候補の人選を誤るということは、国務大臣などの指名にもかなり不安を感じてしまいます。日本の政治でも「任命責任」という言葉が良く出てきますが、まさに今回はそこがマケイン候補の敗因の1つになったのではないでしょうか。

3点目は、オバマ候補が勝ったとはいえ、やはりアメリカに人種差別はまだまだ残っているという点。ミシシッピー州やルイジアナ州などをはじめとする南部の州でマケイン候補が強く、北部の州ではオバマ候補が強いという違いが、かなり明確に出ているようです。今回の選挙結果は、南北戦争以来、南部では未だに人種差別が残っていることを示唆しています。

いずれにしても、オバマ次期大統領がアメリカをどう変えるのか、非常に興味が湧きますね。少なくとも暗殺は避けて欲しいものです・・・。

2008年11月4日火曜日

私もフォトリーディング行っちゃいました。

今話題の勝間和代さんの著書等に刺激され、私もついにフォトリーディング講座を受けてしまいました。

あなたもいままでの10倍早く本が読める





この講座、そもそも2日間で10万円という高額な講座であるということと、「10倍早く本が読める」という何かちょっと嘘っぽいところがあって、過去の私だったら絶対に受講しない類のものでしたが、最近どうも運とかめぐり合わせとかの重要性を感じる機会がいろいろあり、その中で出会った勝間さんの著書もそのひとつであるということ、一生の稼ぎを考えると10万円なんて実は大したこと無い(というか最近本を買うペースは数ヶ月であっという間に10万円は超えている)ような気がしてきたので、思い切って受けました。

講師は寺田先生という右脳開発の研究や教育を専門にされている方で、これまたこれまでの自分だったら怪しんで絶対に踏み入れなかった領域なんですが、食わず嫌いは良くないということと、スケジュールの関係もあり、あえて選んでみました。

成果はというと、あえて読者の方に言うのであれば、まず「結局自分次第である」ということです。自分が素直に物事を受け入れる精神状態になること、フォトリーディングのシステムを継続して実践すること等をする必要があります。また、常に目的意識を持つなど、日頃の心構えも重要だったりするので、人によっては受け入れられないということもあるかもしれません。ちなみに、10万円という高額な受講料は、そういったことに対するモチベーションの高い人だけに受講させるためという目的があるとのことでした。

で、自分はと言うと、フォトリーディング自体もそうですが、自分の潜在意識を認識することで、何か人生観が変わったような気さえ起きています。言葉で言い表すのが難しいですが、今まで悩んでいたことに対して、何か光がパーッとさしてきたような感覚にさせられました。

同期の受講生とお互いに切磋琢磨しながら、今後もフォトリーティングを継続していく予定です。その状況も皆様にご報告させて頂きますので、見てやってください。

2008年11月3日月曜日

気づかないものだ・・・

最近キーボードを買い換えました。

これまで使っていたものは、私が初めて購入した(今は無き)パッカードベルNEC製のPC/AT互換機に付属していたキーボードでしたが、13年の年月を経てキーボードの文字の大部分が消えてしまっていました。

で、新しく買ったキーボードは、ワイヤレスで打ち心地もなかなか。でも、家に届いてから2週間程が経った今日・・・


ん?9が無い?んん??0が2つある・・・。

うーん、やはり中国製の商品は最近何かと問題が多いですね。(^ ^;;)

まぁ別に困らないし、わざわざ交換してもらうのも面倒なので、このまま使い続けます・・・。

2008年11月1日土曜日

地頭力を鍛える

あまりにも有名で読んだ方も多いかとは思いますが、今日はちょっと前に読んだ本の感想を。



この本では、物事の本質を捉える手法について非常にわかりやすくまとめられていますが、私はこの本を読んで、物事の本質を「楽しむ」ことが重要なんだな、と感じさせられました。日本人は、礼儀作法やビジネス文書作成等をはじめ、細部に拘りがちなところがあり、私もその一人かもしれません。でも、あまり細部に拘り過ぎると、本質を見失うだけではなく、考えることの楽しさをも見失ってしまう。そして、そういう人が最近の日本には増えてきているような気がしています。そんなことも気づかせられました。

この手の内容が書かれている本は本当に多く出版されていますが、この本はその中でも必ず読んでおくべき1冊だと思います。