2008年11月25日火曜日

東京交響楽団こども定期 ~ 約3年ぶりの第九

先日の土曜日は、東響コーラスでの久々の第九コンサート。私にとっては2005年の「エルガー:ゲロンティアスの夢」以来約3年ぶりのステージとなりました。

今回は「こども定期」の最後を締め括る演奏会で、大友直人先生による解説付きの公演。大友先生のベートーベンが晩年、どういう思いでこの第九の第4楽章を書いたのかについての語りで、合唱団員としてもより思いのこもった演奏になったのではないかと思います(一応プロのオーケストラの演奏会ですので、世間では賛否両論あるかとは思いますが・・・)。

大友先生が演奏会の中で仰っていた通り、テレビもインターネットも無いベートーベンの時代に、これだけの大作を他人からの依頼ではなく自ら手がけたという偉業は、尊敬に値することです。それまで金持ちのパトロンの存在で成り立っていた音楽を、自ら筆を取って作曲するという、ある意味でリスクの大きいビジネスに取り組んだという精神。細部まで練りに練られた大曲。私でさえこの曲をこれまで数え切れないくらい聴いて、数え切れないくらい歌っている訳ですが、プロの音楽家でない私にも、その生き様や音楽そのものから学ぶことは非常に多いです。

また、オーケストラ、4人のソリスト、大合唱団を軽々とまとめ上げる大友先生からも、毎回のことながら多くのことを学びました。自分も学生の頃大学の合唱団の指揮者をやっていた経験もあることから、これだけの人たちをまとめ上げることの大変さは多少なりとも理解しているつもりではありましたが、大友先生(だけに限ったことではありませんが)は、曲に対する誰よりも深い理解と思い入れを持ちつつ、軽々と操ります。そこにはやはり「マエストロ」と呼ばれるだけのものがありますね。

次回は府中の森芸術劇場での西本智美先生との第九。恐らく大友先生とは全く違った「世界」が作り出されるかと思うと、今から興奮を抑えきれません。

その後もあの「のだめカンタービレ」の指揮指導でも有名な飯森範親先生や、巨匠秋山和慶先生との第九コンサートもあります。それぞれのコンサートでお客様に良い音楽を届けるのはもちろん、自分自身も音楽的・人間的に成長できればなぁと思います。

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