2009年7月26日日曜日

リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 くらたまなぶ著

今回の本は、リクルートに20年勤めて14の新しいメディアの創刊に携わったという倉田学さんの本です。



後から知ったのですが、何でもこの本のもともとのタイトルは『MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術』とのこと。非常に面白い本ですが、「MBAコースでは教えない」というのはちょっと嘘っぽいかも。倉田さんが本能的に実施した、地道なアンケート調査に基づいたモノ作りというのは、所謂「マーケティングエンジニアリング」ってところでしょうか。まぁMBAの授業では既に数字が存在するところからのスタートであるのに対して、倉田さんのスゴイところは全て自分の足で稼いできたデータであるという点ですけどね。

アイデア作りという意味では、これだけいろいろなアイデアを次から次へと出してきた人でさえも、もがき苦しんできているという事実を知れたのは良かったかもしれません。この本の裏表紙には「目からウロコの究極の仕事術を全面公開。市場ニーズをつかみ、次々とヒットを飛ばす秘訣とは?」と書いてあるんですが…そんな「秘訣」は存在しないというのが、本書の結論でしょうか。強いて言えば、藁をもつかみ、寝ないで頑張ってようやくスタートライン、という感じでしょうか…。(^ ^;;)

でも、倉田さんの仕事への情熱には、本当に頭が下がる思いです。仕事術とか何とか言う前に、倉田さん位の情熱を持って仕事に取り組むことが重要ですね。

2009年7月18日土曜日

裁判員制度と暴力団

暴力団関係者を裁く裁判では、裁判員を呼ばないということになるらしいですね。

恨まれて仕返しされるのを防ぐということのようですが…。

しかし、暴力団に関係していなくても、被告人が有罪判決を下した裁判員を恨んで仕返しをするなんて、容易にあり得ることじゃないでしょうか。

そもそも、被告人や被害者、裁判員のプライバシーなんて、全く守られるようになってないんじゃないかなぁ。誰が言い出したんだか知らないけど、こんな制度、本当にうまく行くのでしょうか???

殺人罪の時効撤廃の賛否

殺人罪の時効が撤廃される方向での議論が進んでいるようですね。

誰もが賛成と思いきや、弁護士さんたちは反対だとか。その理由は「冤罪を増やしかねない」とのこと。

理由は、時効になる頃には有罪を覆すだけの証拠を入手するのが難しくなるからということらしいです。何だか変な理屈ですね。逆に言えば、時効になる頃には有罪にするだけの証拠を得るのも難しいということにもなると思うんですが…。

確かに、罪を犯していない人を有罪にすることと、罪を犯した人を無罪にすることは、まぁどちらが大事ということを決めるのは難しいでしょう。

でも、時効になる頃に検察が掴んだ証拠で冤罪を招くというのは、ちょっと考えにくいような…。事件から長期間が経過しているってことは、それだけ捜査が進んでるということで、より冤罪の確率は低くなっているように思うのですが…。

まぁそういう意味では、冤罪でもそうでなくても、弁護するのが難しくなるのは確かですね。負けるのがわかっている裁判の弁護なんてやりたくないってことでしょうかねぇ!?

2009年7月15日水曜日

マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方 トム佐藤 著

今日ははこんな本を読んでみました。

この本を読んで、「最も働きがいのある会社」と言われているマイクロソフトのイメージや、天才で資産家で慈善家というビル・ゲイツのイメージがかなり変わりました。1980年代のマイクロソフトは、かなり恐ろしいところだったようですね。ビル・ゲイツも常に怒り狂ってる恐ろしい人物、という感じで描かれています。一応BASICやMS-DOSを作っていたころからマイクロソフトという会社は知っていましたが、それらを取り巻く大きな動きが、本書を読んでとてもよく理解できました。前半はあのMSXの栄枯盛衰が描かれ、後半はWindowsがデファクトスタンダードになるまでの道のりが、OS/2をマイクロソフトと共同開発したIBMとの関わり等も交えながら描かれています。もう30年近く前の話ですが、かなり詳細に書かれていて、臨場感たっぷりという感じです。また、実はPCやWindowsの発展には日本の市場が大きく貢献していたということが、本書を読むとよくわかります。本書によると、マイクロソフトのR&D拠点は、かつてはアメリカと日本にしか無かったとのことです。

一方、1990年近くには、OS/2の販売終了やあまりの開発量の多さに燃え尽きた多くの社員が辞めていったとのこと。現在では勤続20年以上という人は数える程なので、会社の文化もこの本の内容と現状はかなり異なるのではないかと…思いたいです。(^ ^;;)

2009年7月12日日曜日

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス 上阪 徹 著

今回ご紹介するのは、女性なら誰でも知っていると言われており、パソコンをめったに触らない私の妻でさえも使っているクックパッドについて書かれた本です。

この本は、クックパッドの佐野社長が、如何に起業を志すようになり、なぜクックパッドを始めたのかから始まり、なぜクックパッドはこれ程までに普及したかについて、経営者や社内の状況、サービスの変遷とそれに対する反響を踏まえながら、「ここまでバラしてしまっていいんだろうか?」と感じるくらい詳細に述べています。佐野社長のユーザーに対するきめ細かな心配りと、それを実現するための技術的なこだわり。明確なビジョンを持ち、それに反することであれば、いくらお金になることでも絶対にやらないという強い意志。サービス開始当初はずっと赤字だったというクックパッドは、この本に書かれている多大なる努力の末、なるべくしてこれだけメジャーなサイトになったのだということを、この本を読むことによって痛感しました。

私自身、これまでのB2B (というかグループ会社相手) のビジネス領域からコンシューマー向けのビジネス領域に飛び込んできており、この本に書かれているようなことには、共感できるところも多くありました。コンシューマービジネスっていうのは、本当にちょっとしたことで結果に大きな差が出るところなんだということを、この本を読んで再認識。もっといろいろ考えなきゃいけないんだなぁ…と痛感させられた一冊でした。

私はこうして受付からCEOになった カーリー・フィオリーナ著

HPの女性社長として有名だったあのカーリー・フィオリーナの本をたまたま本屋で見つけて、即買ってみました。



この本ではカーリーの生まれから成長、AT&Tでの破竹のプロモーション、ルーセントでの成功、そしてHPでの改革について、カーリーの行ってきた判断とその背景などが深く述べられています。文才もあるのか、小説を読むように楽しめる一冊です。また、原文のタイトル”Tough Choices”が示している通り、経営判断を含む様々なディシジョンメイキングを彼女がどのようにおこなってきたかが事細かにかかれており、自己啓発本とも言える内容です。

自分が正しいと思うことを実直に続けてきたことによって、見事に成功する。HPにヘッドハンティングされる前までの部分は、読んでいても気持ちが良いです。一方、HPとCompaqの合併以降は、いわゆる社内政治と、女性社長に対する偏見に大きな影響を受けた株安によって、CEOから更迭されてしまうという、何とも言えないキャリアの終焉を彼女は迎えています。ノンフィクションということもあり、あまり細かなやり取り等がわからないのが残念ですが、いずれにしても彼女は本当にドラマティックなキャリア・人生を送っています。

ちなみに、彼女が卒業したメリーランド大学のビジネススクールは、私も行きたかったところの一つだったんですよ。一応合格もしましたものの、悩んだ末最終的には別のところに行きましたが…。(^ ^;;)

2009年7月9日木曜日

社員総会@JCBホール

昨日は社員総会。年度の開始が7月1日で、昨年度の振り返りや今年度の方針、さらには環境問題や男女平等などについて、全社員が集まる中盛大に行われました。経済の悪化の影響をそれなりに受けた昨年度に対して、「経営責任を明確にしていない」との声もあるようでしたが、私には結果を真摯に受け止めているように見えました。まぁこれまでの私の居た環境が温過ぎたということもありますが・・・。(^ ^;;)

さらに、樋口社長や我が部門のGMを中心にDeep Purpleの「演奏」が披露され、個人的には刺激的な社員総会でした。また、お弁当や飲み物が無料で提供され、かつノベルティが大売出しされ、「社員のモチベーション向上にこれ程力を入れるのか」という感じ。この辺は、未だに終身雇用が前提の日本企業とは、大きく違いますね。

2009年7月2日木曜日

マーラー「千人の交響曲」と皇太子殿下

今日はいよいよ「千人の交響曲」の本番。仕事では、午前中のミーティングで、抱えていた課題のうちの一つをクリアするつもりが、さらに大きな課題?を抱えることになりながらも、半ば現実逃避でゲネプロに合流。それでもギリギリ。

昨日のお説教(?)が効いたのか、今日のコーラスはまずまず。ステージの一番後ろで声が飛ばずに苦しんでいたソリストも、子供たちのコーラス隊の前に出て声が遠くまで届き、かなりいい感じ。

一方、外は何やら警備がもの凄いことになっていて、開場時間には何と入口に金属探知機まで設置されてました…。「VIPが来る」という話は聞いていましたが、ここまでしなきゃいけないVIPって一体誰?という感じ。

本番直前に、なんとVIPというのは皇太子殿下と各国の大使という話を楽団事務局の中塚さんが公表。なるほどそりゃ警備も厳しくなるわねー。本当は雅子さまもいらっしゃる予定だったらしいのですが、残念ながら皇室からは皇太子殿下おひとりだけ。

いよいよ本番。事前に「VIPはステージ向って右側」という話は聞いていましたが、マエストロ飯森が礼をしたこともあり、開場の全員が皇太子殿下の存在に気づき、拍手でお迎え。

なんてこともありながら、いつもの本番と同じような緊張感で演奏開始。コーラスの第一声は、まさに会心の一撃という感じ。ゲネプロで頑張りすぎて走っていたところも、本番は何とかクリア。あとは、オーケストラで何度かヒヤヒヤする所があったものの、あれよあれよという間にフィナーレ。お客さんの反応もまずまずでした。

コーラスの出来は、これまでを通しても一番良かったのではないでしょうか。オケの失敗はちょっと…という感じでしたが…。まぁ200人近い編成で、かなりの部分がエキストラ(今回だけのメンバー)だったので、なかなか難しいところはあるのかと思いますが…。(^ ^;;)

長いようで短かった約2か月の練習も、これで終了。コーラスにも今回だけの「特別団員」の方が数十人いたのですが、その人たちとはこれで最後と思うと、寂しい限りです。これだけの大曲かつ難曲に、まさに苦楽を共にして取り組んだ仲間ですから…。

とは言え、来週の金曜からはもう次の練習、そして来月15日はベートーベン第九の本番@神奈川県立音楽堂。寂しがっている時間はあまり無さそうです…。

遅ればせながらオケ合わせ二日目

オケ合わせ二日目は、発声練習には間に合わなかったものの、ギリギリ音出しに間に合いました。当日のゲネプロは全曲を通せない(時間がない+曲が曲だけに本番前にバテる)ので、途中あまり止まらずに練習。全曲と言っても、前半と後半の2部構成で間の休みが1回だけ。それなのに1時間半以上、かつ大部分でコーラスが歌いっぱなし。いやぁ、本当にこんな曲に取り組める機会はなかなかありません。その分大変ですが…。(^ ^;;)

上手くやろうとしすぎるのか、オケの大音量にこの日のコーラスは完全に負けてました…。マエストロ飯森もキレ気味。合唱指導の安藤先生もオケ合わせ後のダメ出しで激怒(?)。百戦錬磨の(?)東響コーラスも、さすがに今回はピンチ?私自身この曲は2回目、コーラスとしても数回経験しているのですが、今回は周囲の要求レベルもかなり高い気がします。ここはそれだけコーラスが成長していると考えましょう。

とは言え、仕事も課題を沢山抱えているのに、本番当日はゲネプロ間に合うだろうか…というのが、実は私の一番の不安でした。