2009年11月11日水曜日

流れる星は生きている 藤原 てい 著

今回は、嫁さんが近所の図書館で借りてきたこの本をご紹介します。

本書は、第二次世界大戦終盤(恐らくソ連参戦時)に満州新京を立ち退きを命ぜられたことをきっかけに、日本の実家まで引き揚げてくる過程を綴ったものです。夫と離れ離れになりながら3人の子供を連れてなりふり構わず生きる様からは、生きることの大切さを痛感させられました。そして、極限状態に置かれた人の様々な本性から、人間の本質でが垣間見られたような気がします。

決して、単なる昔の話ではありません。混沌とした現代にも通じる何かが読み取れる本です。そして、これはノンフィクションです。戦中戦後の壮絶な状況の中、著者とその子供3人、そして著者の夫が全員生き残ったこと、瀕死の息子を助けた朝鮮の医師など、まるでテレビドラマのような話ばかりですが、これらが全て実際の話であるということが、本書を読む価値を高めています。

是非一読されることをお勧めします。

2009年11月5日木曜日

その他大勢から抜け出す成功法則―「何か必ずやる人」11の考える習慣術 ジョン・C. マクスウェル 著

今回ご紹介するのは、斎藤孝さんが書いたちょっと仰々しいタイトルの本です。

成功法則となっていますが、実際の内容は、自由な発想をするための思考法です。大局的に考える、集中的に考える、創造的に考える、現実的に考える、戦略的に考える、前向きに考える、反省して考える、「非・常識」に考える、「アイデアを共有」して考える、利他的に考える、実利的に考える、という11の考え方について、著者は例を交えながら説いています。考え方については、ある意味当たり前のようなことばかりのようですが、引用されている例がとても面白い。印象に残ったものを3つほどご紹介すると・・・

1つめは、「大局的に考える」例として挙げられた、別々の場所の二つの井戸の水面に映る太陽の形から、地球が丸いことを指摘した古代エジプトの話。この話を知らなかった私が無知なだけかもしれませんが、思わず「なるほど」と思ってしまいました。

2つめは、「前向きに考える」ことの反例として出された、デジタルイクイップメント (DEC) 社長 ケン・オルセンによる1977年の「個人が家庭でコンピューターを持つ理由など一つもない」という発言。かのビル・ゲイツの「全ての家庭にコンピューターを」という発言と全く反対のことを言っていて、当のDECもマイクロソフトの隆盛と正反対の道を辿った訳で、何とも皮肉な話です。 でも例としてはとてもわかりやすい。

同じく「前向きに考える」の例として、ウォルマート創始者のサム・ウォルトンの例も興味深いです。どう見ても酷いライバル社の店舗を、決して馬鹿にすることなく、むしろそこから良い点をいくつも見つけ出し、それを自社に取り入れた。さらなる向上のためのこうした貪欲さが、今のウォルマートの強さの元なんでしょうね。

ちょっと読むのが恥ずかしいタイトルの書籍ですが、なかなか楽しめた1冊でした。

2009年11月1日日曜日

あたりまえだけどなかなかできない 33歳からのルール 小倉 広 著

もうだいぶ前に34歳になってしまいまいしたが、こんな本を読んでみました。

著者の小倉さんは、リクルートを辞めて33歳の頃にベンチャー企業の役員になったとか。この本には、その頃からの著者のこだわりが書かれています。書かれていること全てに共感できた訳ではありませんが、そもそもこの年齢でこれだけのこだわりを持つということ自体は凄いことですし、私もそうありたいと思います。決してこの本に書かれていることを実行したら成功するとか、そういう類の本でないことは確かですが、何だか元気づけられる1冊です。