2009年11月5日木曜日

その他大勢から抜け出す成功法則―「何か必ずやる人」11の考える習慣術 ジョン・C. マクスウェル 著

今回ご紹介するのは、斎藤孝さんが書いたちょっと仰々しいタイトルの本です。

成功法則となっていますが、実際の内容は、自由な発想をするための思考法です。大局的に考える、集中的に考える、創造的に考える、現実的に考える、戦略的に考える、前向きに考える、反省して考える、「非・常識」に考える、「アイデアを共有」して考える、利他的に考える、実利的に考える、という11の考え方について、著者は例を交えながら説いています。考え方については、ある意味当たり前のようなことばかりのようですが、引用されている例がとても面白い。印象に残ったものを3つほどご紹介すると・・・

1つめは、「大局的に考える」例として挙げられた、別々の場所の二つの井戸の水面に映る太陽の形から、地球が丸いことを指摘した古代エジプトの話。この話を知らなかった私が無知なだけかもしれませんが、思わず「なるほど」と思ってしまいました。

2つめは、「前向きに考える」ことの反例として出された、デジタルイクイップメント (DEC) 社長 ケン・オルセンによる1977年の「個人が家庭でコンピューターを持つ理由など一つもない」という発言。かのビル・ゲイツの「全ての家庭にコンピューターを」という発言と全く反対のことを言っていて、当のDECもマイクロソフトの隆盛と正反対の道を辿った訳で、何とも皮肉な話です。 でも例としてはとてもわかりやすい。

同じく「前向きに考える」の例として、ウォルマート創始者のサム・ウォルトンの例も興味深いです。どう見ても酷いライバル社の店舗を、決して馬鹿にすることなく、むしろそこから良い点をいくつも見つけ出し、それを自社に取り入れた。さらなる向上のためのこうした貪欲さが、今のウォルマートの強さの元なんでしょうね。

ちょっと読むのが恥ずかしいタイトルの書籍ですが、なかなか楽しめた1冊でした。

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