2009年11月11日水曜日

流れる星は生きている 藤原 てい 著

今回は、嫁さんが近所の図書館で借りてきたこの本をご紹介します。

本書は、第二次世界大戦終盤(恐らくソ連参戦時)に満州新京を立ち退きを命ぜられたことをきっかけに、日本の実家まで引き揚げてくる過程を綴ったものです。夫と離れ離れになりながら3人の子供を連れてなりふり構わず生きる様からは、生きることの大切さを痛感させられました。そして、極限状態に置かれた人の様々な本性から、人間の本質でが垣間見られたような気がします。

決して、単なる昔の話ではありません。混沌とした現代にも通じる何かが読み取れる本です。そして、これはノンフィクションです。戦中戦後の壮絶な状況の中、著者とその子供3人、そして著者の夫が全員生き残ったこと、瀕死の息子を助けた朝鮮の医師など、まるでテレビドラマのような話ばかりですが、これらが全て実際の話であるということが、本書を読む価値を高めています。

是非一読されることをお勧めします。

1 件のコメント:

ぼたん さんのコメント...

懐かしい!学生時代に読みまして、非常に感銘をうけました。
親になってからは、主人公の凄さがよりわかるようになったのと同時に、「当然である」と自然に思える自分に驚いた部分もあります。
実際に行動できるか、はちょっと自信がないけど、女親ってそんな激しいモノを皆もってるのよ、うっちぃさま。