2008年12月30日火曜日

SEからコンサルタントになる方法 北添裕己著

いろいろあって更新がしばらく滞ってしまいました。申し訳ありません。

そもそも「SE」の定義って何?という疑問もありますが、そこからあえて「コンサルタント」になるということが本になっていること自体に興味を持ち、表題の本を読んでみました。



お客様に言われたことをやる「SE」から、ゼロから物事を考える「コンサルタント」の違いが述べられており、「契約・仕様にないことは一切やらない」という態度になりがちなSEからの脱皮を図ろうとしている人には、お勧めできる内容です。

ただ、「コンサルタントになる方法」と言っても、内容は優先順位を付けて仕事を進めることや、プロジェクトマネジメント手法などに関する記述が中心で、所謂コンサルティングで良く使われるロジカルシンキングなどは殆ど触れられていません。また、昨今ではSEにもゼロからの提案力は求められており、今更言うべきことでもないようなことも多いような気がします。

でもまぁアクセンチュア、ヘッドストロングなどコンサルティング業界でキャリアを積んできた著者が書く内容ということを考えると、ロジカルシンキングなんていう高尚なことではなく、本書に書かれたような内容が実践でも問われているということでしょうか。

2008年12月12日金曜日

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 山田真哉著

今回はちょっと会計のお勉強です。



私も一応会計に関する基本的な知識を持っていましたが、本書ではさおだけ屋や自然食品店の例、完売したのに怒られる例など、身近な話と関連付けてわかりやすく会計の肝が書かれています。キャッシュフローの話も同様で、フォードやGMのような大企業が破産寸前に追い込まれている今、楽しく読めました。

会計というと、まず借方・貸方のようなよくわからない規則から入るのが一般的で、その時点で諦める人も多いですが、この本を読めば「会計っておもしろそう」と感じることができるかもしれません。

2008年12月10日水曜日

頭のいい段取りの技術 藤沢晃治著

本日も引き続き仕事の効率化に関する本です。



メールや小包の送達確認の方法や、部下への指示の出し方など、かなり具体的な手法が述べられている一方で、「とにかくゴールまで到達したいという強い意志を持つ」「完成図をイメージする」「嫌なことは午前中に終わらせる」等、他の本と共通する内容があり、これらの内容の信憑性は高いですね。

また、後半はクリティカルパスの話等、プロジェクトマネジメントの話が丁寧に解説されています。

全体的に非常に読みやすい本でした。

2008年12月9日火曜日

情報は1冊のノートにまとめなさい 奥野宣之著

勝間和代さんの本をはじめ、昨今では「知的生産術」を語る本が多いですが、本日の1冊は、その中で最も原始的と言える、100円ノートでできる手法を紹介したものです。



本書ではタイトル通り、100円で買えるA5ノートに全ての情報を一元化するという手法について述べられています。時系列で情報をどんどん書き込んでいく手法は、いわゆる整理術の本にもよく書かれていますが、本書は新聞の切り抜きの貼り付け方など、かなり具体的なことまで触れており、即実践できそうです。

一方、「自分のやりたいことを巻末から逆順に記入する」という方法は、「やりたいことは書けば実現する」という「非常識な成功法則」でも述べられていることに通じるところがあります。また、「いったん問題を紙に落として、忘れる。あるいは結論する」というのは、つい先日読んだ「仕事は頭でするな、体でせよ!」や、「脳を生かす仕事術」にも共通する手法です。

著者本人も「10冊以上索引を作るのをサボって、非常にしんどかった」と書いている通り、「ノートへの索引をPC上のテキストファイルに記述して索引を作る」というのは、私もちょっと面倒だなぁ、と思ってしまいます。しかし、そうでもしないと書くだけで終わってしまう、というのは最もな話です。著者もここが「このノート術の肝」と繰り返し述べています。

恥ずかしながら、私はそもそも手帳をあまり使っていないのですが、とりあえずA5ノートを常に持ち歩いて、思いついたことや必要なことをメモする習慣をつけるというのは、私にとっても敷居の低い手法です。これから早速A5ノートを買ってこようと思います!

「残業ゼロ」の仕事力 吉越浩一郎著

私も常日頃からホワイトカラーの残業について疑問を持っていましたので、今日は、あのトリンプインターナショナルの元社長である吉越さんのベストセラーを読んでみました。



昨今ではサービス残業の問題が表面化し、私の会社でも業務終了時刻の15分後までにパソコンからログアウトすることが義務付けられていました。ただ、残業は実質自己申告制で、特別な仕事もないのに残業する、いわゆる「生活残業」をしている社員もいた事は否定できません。でも、これって当たり前の話ですよね。ゆっくり余裕を持って仕事ができて、なおかつ超勤手当てまで出る。わざわざ頑張って仕事を時間内に終わらせたり、家に持ち帰ったりしても、あまり評価はされませんし、長時間残業をした人が高く評価されてしまう、という現実も否定できません。

そんな状況に対する私の疑問に、本書は見事に答えてくれました。まず、世界的に見ても日本人だけが残業を義務化しているという点。これは、ビジネススクール時代の友人も同じようなことを言っていました。逆に欧米では「時間内に仕事が終わらないなんてダメなやつ」という見られ方をします。

また、私もよく上司から「優先順位をつけて仕事をしろ」と言われますが、著者はこれもすっぱりと否定しています。「優先順位やスケジューリングを考える時間があれば、仕事のひとつでも片付けた方がいい」これは先日私が読んだ「仕事は頭でするな、体でせよ!」や、「脳を生かす仕事術」等でも同じようなことが述べられていました。

また、「失敗に対して怒ってみたところで、どうにかなるものではない。起こる暇があったら、一刻も早く『緊急対策』を考えるべき」というのも、なかなかできないことではありますが、まさにその通りですね。

それにしても吉越さんのリーダシップは、他のリーダとは一線を画したものがあります。リーダというと「会社のために一番頑張るべき人」と思いがちですが、自ら定時で帰宅し、夜はフランス人の奥様と一緒に過ごす。欧米では本当に当たり前のことではありますが、それを日本の会社で、社長自らも含めて完全に実現させるというのは、本当に凄いことです。世の中には、社長といえども自分の意見を主張できなかったり、そもそも自分の意見を持っていなかったりする人が、(特に大企業では)多いですが、それを実現できる体制作りとリーダシップは、社員でない私にとっても尊敬に値します。

本書は、是非とも大企業の社長さんにお勧めしたい1冊ですね。

2008年12月8日月曜日

脳を生かす仕事術 茂木健一郎著

本日は、わが母校でも教鞭を取られている茂木先生の、有名な「脳を生かす」シリーズからの1冊を選びました。



本書で述べられている「仕事術」は、先日の「仕事は頭でするな、身体でせよ!」にもかなり似た考え方で、私としてはちょっとした驚きを覚えました。なにしろ「頭でするな」という本と、「脳を生かす」という本で、言っている内容がかなり似ているからです。

例えば、本書では悩まず「まず形にしてみる」、「新たな情報が入ってきたら、すぐにその時点で処理する」といったことは、脳科学的にも良いとされているとのこと。前者についてさらに言うと、「まず形にして、それをあえて客観的に観察し、他人の作品を見るように、良い点と悪い点を探す」ことで、脳の「感覚系回路」と「運動系回路」が同じ情報を共有できるとのこと。また、「新たな情報が入ってきたら、すぐにその時点で処理する」ことで、頭の回転が落ちるのを防げるということでした。

また、「いいものをたくさん見聞きする」が脳には重要であり、脳に良いことをたくさん経験することで、意欲が生まれ、結果として脳の創造力が高まると述べられています。

最近東響コーラスのコンサートでオーケストラやソリストの演奏を聴くことが多い私の脳も、少しは成長するかも!?

仕事は頭でするな、身体でせよ! 久恒啓一著

私は上司から「よく考えてから行動しろ」と言われることがよくあります。これを読んでいる皆さんにも経験があるのではないでしょうか?

本日の1冊は、その正反対のタイトルです。



本書では、「凡人」である著者の久恒啓一氏が、「体を動かすついでに頭を動かす」ことで成果を出してきた経験について語っています。私もかなり「体から動く」タイプなので、自分の経験と照らし合わせながら読むことができました。もちろん私ができていないことの方が多いですが・・・。私としては、主に以下の5点を本書から教訓として得ました。

1.目の前にあることを一生懸命やること。
2.積極に外に出て、勉強会に参加するなど、あらゆる「人」とつきあうこと。
3.「一生の希望表」を作ること。
4.午前中に大事な仕事を終えること
5.どのような変化も、喜んで受け入れること。

ここに書いておくことで、今後忘れずに実践していけるようにしたいと思います!

2008年12月5日金曜日

ビジネスマンのための「数学力」養成講座 小宮一慶著

本日はまた少し変わった視点で本を選んでみました。



内容的には、やはり経営コンサルタントが書いているということもあり、「自頭力を鍛える」にも近いところがありますが、こちらはより多くの具体例に触れているようです。ただ、数字で物事を考えることを、「関心」や「責任感」にまで結び付けており、非常に説得力があります。ロジカルシンキングの勉強をしながら、モチベーション向上までできてしまうという良書でした。

人に好かれる話し方

今日の一冊は和田由美さんのこの本です。



斉藤孝さんの「コミュニケーション力」等のような本は、哲学的とも言えるくらいコミュニケーションの本質について語っていますが、和田さんはこの本で、著者ご本人のご経験に基づく具体的な「話し方」について述べています。声のトーンや語尾の言い方についてまで触れられており、かなり実践的です。

とは言っても、例えば「話がうまい人は、相手の話をちゃんと聞く余裕のある人のこと」など、デール・カーネギーの名著「人を動かす」に述べられている内容とも共通する内容もあり、コミュニケーションにおける本質はしっかりと捉えられている良本です。

こうして私は世界No. 2セールスウーマンになった 和田裕実著

再び和田さんの営業本です。



和田さんの書籍の内容は、ビジネスノウハウであると同時に読者を「わくわく」させるところがあります。そして特にこの本は、和田さんが実家への帰省もままならない状態から、ブリタニカの営業で苦労をかさねつつも物凄い速さで成功し、独立されるまでの話がリアルに書かれている点が素晴らしい。営業ノウハウに留まらず、和田さんの生き方を知ることができます。私もこれを読んですっかり和田さんのファンになってしまいました。

2008年12月2日火曜日

ブランド人になれ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (1))

本日の1冊はこれです。



「ブランド人」であることの必要性と、「ブランド人」になるための様々なアドバイスが、物凄い勢いで溢れ出てくる本でした。「ブランド人」は、「私のプロジェクトを見てくれ。これが私の生き様だ」と言いきれなければならない。この「私の~」というフレーズには、はっきり言って惚れました。

その他、「臆せずステージに上がり、脚光を浴びる」や「やればできると信じる」「『あの人に任せておけば絶対大丈夫』と言われる人材になる」「予定表をもっと神経質に使う」「同士を求めてさすらい、『是非一度お会いしたい』というのを口癖にする」など、述べられている内容は他の自己啓発本にも見られるものですが、それぞれの表現が力強く、読むだけで元気にさせてくれる本です。

原文のニュアンスが見事に翻訳されている点も評価できます。翻訳の仁平和夫さんは、「人生を変える80対20の法則」等でも定評がある方なので、納得という感じですね。