2010年7月26日月曜日

日経7/26夕刊「寄付社会をつくる」

今日は表題の記事を読んでいろいろ考えてしまいました…。

お子さんのないご夫婦が始めた寄付。その寄付も、ご主人が退職後、奥さんが病気で余命宣告を受けて、国内ばかりでなく海外へ。

察するに、お子さんは欲しかったけれども授からなかったのでしょう。昨今では子供ができないことに対して、人を逆恨みして殺人まで犯すような輩いる中、寄付なんてなかなかできるものではありません。やはり戦争の経験など、大きな苦労をされてきているからこそできることなのでしょうか。

そして奥さんに余命宣告があった後、たびたびご夫婦で海外旅行に行かれたとのこと。うーん、もはやどんな気持ちで旅行されたのか、私には想像ができません。少なくとも私だったら旅行をまともに楽しめないでしょう。でもこのご夫婦は、訪れた先の貧しい子供への寄付も始めています。何ていうか、素晴らしいとしか言いようがありません。

そして奥さんに先立たれたご主人。今でも寄付を続けていて、もはや受け取る年金の額よりも寄付が大きいとのこと。年金を受け取っておきながらも、金額が少ない少ないと文句を言う人も多い中、本当に素晴らしい。その記事には奥さんの写真の入ったTシャツを着たご主人の写真が掲載されているのですが、満面の笑みを湛えておられました。

昨今は暗い話ばかりですが、この記事には妙に胸を打たれました。私も少しは見習わなくてはなりませんね…。

2010年7月25日日曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎 夏海 著

今回は今でも話題のこの本をご紹介。かなり前に読んでいたのですが、なかなかここに書くことができておりませんでした。 今でこそかなり売れたので問題ありませんが、ちょっと書店で手に取るのが憚られる表紙ですね。でも中身はもちろん変な内容ではありません。

この本、なんと著者は「AKB48」のプロデュースをしていた人。内容も実際のAKB48のメンバーをモデルにしているらしいです。

もはや説明するまでもないですが、本書はこの本の内容を高校野球の運営に適用して、小説風にまとめたものです。ドラッカーの本は、もともと内容が抽象的かつ翻訳本なためかなり敷居が高いですが、この本はそれこそこの内容を必要とする人は誰でもスラスラ読めるのではないかと思います。

ポイントはかなり絞られていて、ドラッカーの思想のホンの一部しかカバーされていませんが、かなり重要なところは押さえているんじゃないかと思います。触れられている主なポイントとしては、おおよそ以下のような感じでしょうか。

1.マネージャに求められる資質(真摯さ)

2.「顧客は誰か」

3.「マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない」

4.働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠

5.「専門家」と「マネージャ」の役割の違い

6.成長には準備が必要

7.人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結び付け、人の弱みを中和すること

8.「人は最大の資産である」

9.自己目標管理

10.イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。

11.マネジメントの三つの役割(組織の目的を果たす、働く人たちを生かす、社会の問題について貢献する)

12.「マネジメントの正当性」-人の強みを生産的なものにする

13.成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。

14.組織には、それ以下では存続できないという最小規模の限界が産業別、市場別にある。逆に、それを超えると、いかにマネジメントしようとも繁栄を続けられなくなるという最大規模の限度がある。

15.市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である。

16.新市場、特に大きな新市場は、共有者が一社よりも複数であるほうが、はるかに早く拡大する傾向がある。

17.集中することによって、(アルキメデスは)初めて世界を持ち上げることができる。

18.成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる意思決定こそ、最大の管理手段であることを認識する必要がある。

また、それぞれのポイントについて、実際に野球部で適用していく過程が描写されており、ドラッカーの本を既に読まれている人でも「あぁあれはこういうことが言いたかったのか!」という気づきが得られるのではないかと思います。

ただ、正直なところ「こじつけ」なところも少なくないように思えます。何だか情報処理技術者試験の論文試験の解答のように感じられなくも無くなはいです(どっちや!)。

いずれにしても、表紙を見て引いてしまっていた人も含めて、ぜひ一読されることをお勧めしたい一冊ですね。

2010年7月4日日曜日

消費税

久しぶりの投稿ついでに、ベタな政治ネタを少し。

消費税10%とか何とかって騒いでますが、どうなんでしょうねぇ。この問題に関する議論を見ていて、税制そのものより日本の政治家のレベルの低さが心配になってしまうのは、私だけでしょうか・・・。

私が今の政治家に求めたいのは、以下の3点です。

①政治・経済の勉強をきちんとすること

②数値に対する根拠を出すこと

③きちんと頭を使って考えること

何ていうか、当たり前過ぎて今更という感じですが・・・。消費税に当てはめて言うと、まず①については、例えばマクロ経済位は理解していないと税制は議論できません。税率が倍になれば税収も倍になるなんていう、もう逝ってよしという感じの話を聞きますが、モノの値段が上がれば需要は減るなんて、マクロ経済の基本の基本(というか別に勉強してなくても常識!?)の話です。下手をすれば税率を上げたことでモノに対する需要が減り、結果として税収が減るなんてことも十分あり得ます。せめてその辺はしっかりと理解してほしいです。

②の例としては、上記に関連した話で、税率をx%上げると消費がどれだけ減って、結果として税収が幾らくらいになるなんていうことは、それなりに算出できます。本来、こうした分析をした上で初めて、・・・なのでxx%上げましょう、と言えると思うのですが、誰かそういうことやってる人いるんでしょうか???

そして③。消費税を上げてそれを財源に法人税を下げれば、雇用が回復して景気も上向くとのことですが、嘘っぽいですねー。そもそも消費が減る=仕事が減るのに雇用を増やして何になるんでしょうか。企業もアホではないので、用途も無いのにお金があるという理由だけで人を雇ったりしません。まぁ要は、企業の献金や組織票の方が個人の票よりもオイシイというだけのことでしょうけど。

ちなみに、私は決して消費税を上げることに反対している訳ではありません。それ以前の問題ですね。まぁ選挙のことしか考えていない重鎮の圧力もあって、まともな議論や検討ができないという事情もあるんでしょうけどね…。

喉の調子

ここ数か月(数年?)痰に悩まされ続けており、内科を受診しても全く治らなかったので、先日呼吸器科に行ってみました。

そしたらなんと原因がわからないので即CTスキャン。何かぼったくられている気が…。

CTスキャンの結果は問題なし。そして耳鼻科にたらいまわし。

耳鼻科ではなんと鼻のレントゲン。鼻腔の状態を見て蓄膿症かどうかを判断するとのこと。 でも、やっぱり結果は問題なし。

その後鼻にカメラ突っ込まれて、粘膜を採取。 1週間後、再受診。取った粘膜の中の菌を培養したら、肺炎球菌が結構多かったのでこれが原因かも、とのこと。 うーん、何だか深刻そう。でも、とりあえず抗生物質を出してくれるとのことなので、ようやくこれで痰から解放されると若干期待。

で、抗生物質5日分のうち2日分を消化した現在。何の変化もなし。そして肺炎球菌について調べると、確かに肺炎につながるケースもあるようですが、普通の人でも菌を保持している場合はあるとのこと。うーん、どうもハズレっぽい。

結局今回も治りそうにないです…。どなたか良い医者を紹介してください・・・。

2010年5月30日日曜日

SIMロック解除に関するガイドライン

またまた久しぶりになってしまいました。しかもまたこのネタです・・・。

「iPhoneがドコモで使える」かもしれないということで、何だか「規制緩和」のイメージがあるSIMロック解除ですが、仮にこれが「政府による義務付け」であった場合、それは政府による「規制」ですよね。

SIMロック解除を政府が義務付けることは、例えばWiiのゲームをプレイステーション3でもプレイできるように義務付けることとほぼ同じです。

政府がこういう「規制」を設けるのは、競争環境が著しく偏った場合のみ。例としては、WindowsとInternet Explorerのバンドルが挙げられます。Windowsの支配的なシェアにより、バンドルされたInternet Explorerも支配的な立場に容易に立ててしまう。この場合、累進課税と同じような考え方で規制が設けられます。

では携帯キャリアの競争環境はどうか?果たしてiPhoneでソフトバンクは支配的なシェアを手に入れることができたか?これは現時点では恐らくNoですね。むしろiPhoneによってドコモの支配的地位が徐々に揺らいで、競争環境が健全なものになりつつあるという感じでしょうか。最近ドコモも良い端末を出すようになってきてますし。

ちなみ「そもそもバンドルなんてズルい」という印象を持つ方も多いかもしれませんが、企業が競争優位性 (Competitive Advantage) を生かすという意味では必要な考え方です。Wiiからスーパーマリオが取り上げられるとしたらどうでしょう?どこに自社の競争優位性があるかを見極めてそれを最大限に生かすというのは、企業として当たり前の姿。AppleがSIMロック解除の考えに寄っているのは、彼らの競争優位性が別のところにあるからです。

総務省は「脱ガラパゴス」と言ってますが、上記の理由から、SIMロック解除したところで、日本の携帯メーカーに競争優位性がなければ何も変わらないでしょう。逆にApple等に日本国内を占拠されてしまう気がするのは、私だけではないかと思います。

「ユーザーの要望に沿うべき」という言葉も聞かれますが、これも私は危険だと思っています。スーパーマリオのようなゲームをPS3でやりたいというユーザーは少なからずいる一方で、政府が規制を作って任天堂にPS3用のスーパーマリオを出させるか?「ユーザー中心」というセリフは、私には民主党の選挙中心ポピュリズム政治の一環にしか聞こえません。政府はユーザーや企業を含め、あらゆるステークホルダーに対して中立の立場を取るべきです。

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と書きましたが、ここで「SIMロック解除に関するガイドライン(案)」を見てみると、「本ガイドラインは、事業者に対し、SIMロック解除を強制するものではない」との一文。さすがに総務省もバカではなかったです。これはあくまで規制ではなく、事業者がSIMロックを解除しようとしたときに、それを可能にするためのガイドラインという位置づけのようですね。(まぁNTTからの献金が問題視されたことによって原口大臣の意見が変わったり、NTT出身の内藤副大臣が議論を主導していたりするので、引き続き注意は必要ですが・・・)

2010年5月10日月曜日

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方 小飼 弾, 山路 達也 著

かなり久々のブログになってしまいました。今回はブロガー小飼弾さんのこの本をiPod touchで読んでみました。

著者の思想の中に「モノの見方は人それぞれ」というものがあり、それは私も全くその通りとは思うのですが、どうも本書には納得のいかないところがありました。

その主張の根幹となるのが、「プッシュ型」の情報を全部捨てるというもの。テレビを見すぎるのは良くないというのには私も同意しますが、著者は「全部」捨ててしまうことで見落としてしまっていることが少なくないんじゃないかなぁと、本書全体を通して感じました。

その最たる例が、著者が本書で延々と述べているバランスシートに関する話。会計やファイナンスに関して、局所的なことばかりが着目されてしまい、全体が一部誤った方向に行ってしまっているように感じます。

例えば、初めから3億円持っている人と30年間毎年1000万円もらい続ける人のどちらが得かという話。著者の主張は、後者の方がバランスシートが小さくなるから良いというものですが、これ、本当でしょうか?

ファイナンスの観点からは、少なくとも金利がプラスであれば上記は誤りです。3億円を30年間運用するのと、毎年1000万円を積み立てて運用するのでは、前者の方が利潤は大きいです。 著者の主張である「どうなるかわからない将来の収入が安定しているから良い」というのも、ちょっと変です。どうなるかわからないのであれば、今のうちに貰っておく方が良いに決まっています。だから金利というものが存在するんです。そもそも、著者の「バランスシートは小さい方が良い」という主張そのものに根拠が見当たりません。

また、「株を発行するより借金をした方が調達コストが低い」という主張もありますが、これもちょっと変。「株の調達コストが借金よりも高い」理由として、「事業が成功した時に株価が高く売れることを期待しているから」ということを挙げていますが、事業が失敗したときのことを全く見落としています。株は事業が失敗しても現金を返す必要がないので、むしろ調達コストは借金よりも安いんですよ。

さらに、「サービス業の場合は設備として持たなければならない固定資産が少なくないので、製造業に比べて自己資本比率は高くなる傾向は確かにある」そうですが、これも甚だ疑問です。まぁ「サービス業」の定義が曖昧なので何とも言えませんが、仮に著者の所属する情報サービス業だとしても、データセンター1つと、プリウスの工場1つでは、圧倒的に後者の方が固定資産の額は大きいですよね。

 

・・・という感じで、挙げ始めたらきりがないというくらい、著者の主張は危うく感じます。もしかすると自分の興味がある情報だけしか吸収していないことが、少し視野を狭くしてしまっているんじゃないかなぁと感じてしまいました。 もちろん「弾言」というタイトル通りの著者の語り口は、読んでいて気持ち良いところはあります。まぁこういう考え方をする人も世の中にはいるんだなぁ、ということを知ったという意味では、読んでみて損という気はしない1冊でした。

2010年4月3日土曜日

SIMロック解除はドコモに有利?

SIMロック解除について別の考察。

現実的に影響があるのは主にドコモとソフトバンク。でも全く同じ端末が使えるようになると、当然有利なのはインフラが充実しているドコモ。その分ソフトバンクは料金で勝負するしかありません。もちろんソフトバンクもネットワーク投資を積極的に行っていますが、かたや総務大臣が大株主になっているNTTの子会社。平等な立場とはとても思えません。

やっぱり内藤議員は単なるダメ議員なんだろうか…。

SIMロック解除を総務省が要請

総務省が、携帯電話端末を特定の通信事業者しか使えないようにする「SIMロック」の解除を要請することを決めたらしいですね。

きっと「やったーついにドコモでiPhoneが使える!」というな人が多いでしょう。

でも、総務省もそんなに頭は悪くありません(たぶん・・・)。

「早急にSIMロック解除に向けたガイドラインを作る」と言っており、必ずしも全てのユーザー、全ての携帯電話のSIMロックが解除される訳ではないでしょう。 初めからSIMロック解除される携帯電話も出るかもしれませんが、きっと驚くような値段。購入後一定期間はSIMロックを解除できない携帯電話は、今後も販売されるでしょう。そもそも、世界的にみて全くSIMロックが存在しない国は殆どありません。

でもこのガイドラインは微妙ですねぇ。携帯キャリアは激しい競争をしているように見えて実は寡占状態ですので、表向きは競争を促進することが目的と主張していますが、私には必ずしもそうではないように思えます。その理由は以下の3点。

1.そもそも、解約と同じ人数だけ新規加入があれば、キャリアは事務手数料でお金を稼げる。携帯端末の買換え頻度が落ちてきた昨今、「買換えない=キャリアを乗り換えない」だと、実は収入が減る恐れがある。

2.キャリアがメーカーの開発支援をするのが苦しくなってきた。一定期間経過後にSIMロック解除することを前提に、キャリア各社で仲良くお金を出し合ってメーカーを支援することにした方が良いかも、と思い始めた。

3.内藤総務副大臣はNTT出身。キャリアを敵に回すようなことはあり得ない。

うーん、政治って難しい。(^ ^;;)

2010年3月30日火曜日

クジラとイルカ

クジラに加えて最近はイルカ猟も問題になっているらしいですね。

しかし、双方の言い分を聞いていると、全く解決する気がしません。双方の言い分が完全な「主観」に基づいているからです。

「イルカを食べるのは日本の食文化だ」、「賢いイルカを殺すなんて可哀想だ」。どちらも言っている人たちにとっては正しいかもしれませんが、私にはどちらも理解できません。

よくある別の主張として「牛や豚は食べているのに、何でクジラやイルカはダメなのか?」というのがあります。私なりにこれに答えるとすると、「野生の」牛や豚を食べることがなくなったように、「野生の」クジラやイルカは食べるべきではない、という理由があげられます。

しかし、これを厳密に「野性・天然のものは一切ダメ」と捉えると、他の魚も全て養殖だけ、ということになります。天然の松茸とかも食べちゃダメ。原油や石炭等の天然資源も取っちゃダメ。究極的には、空気も吸っちゃダメ、ってことになりますね…。

うーん、やっぱりどうやっても解決しそうにありません…。

2010年2月28日日曜日

日経電子版の値段

三月末から日経がオンライン版を出しますが、その値段が「あり得ない高さだ」という意見が多いようですね。

確かに高いですが、個人的な意見としては、正直まぁ妥当なところではないかと思っています。

理由はというと、、、

1. 日経の読者層には相当な高所得層が多く、この層の多くは便利になれば金に糸目を付けない。(+月1000円はまぁ妥当)
2. 現在日経を読んでいない層は、電子板になったところで読まない。お金を払わなくてもある程度の質の情報は簡単に手に入る。電子版onlyの値段をあまり安く設定したところで、新たな読者の獲得は困難だし、日経のプレミア感が失われて、既存の広告主を失う恐れもある。(電子版onlyで4000円もまぁそんなもん?)
3. そもそも日経には競合がいないに等しいので、頑張って値段で差別化する必要性が低い。

といったところでしょうか。

まぁ色々な見方はあるかとは思いますが、深刻なデフレが進む世の中で、自分達の強みを理解した上で、ビジネスの継続性を熟慮した上での価格設定だと個人的には思います。

ちなみに私は日経電子版には全く興味なし。米国版のWall Street Journalの電子版を取ってますが、こちらもかなり高いのでそのうち止めるかも…。(^ ^;;)

2010年2月21日日曜日

トヨタという会社

トヨタのリコールで大騒ぎになっていますね。いよいよアメリカの議会に社長が呼び出しを食いました。

一体トヨタはどうしてしまったのでしょうか。

トヨタと言えば「カイゼン」。トヨタのカイゼンと言えば、アメリカのビジネススクールの教科書やケーススタディにも出てくる、世界的なベストプラクティスです。

この「カイゼン」は、社員一人ひとりが日々必ず何かを改善していかなくてはならないという「文化」。トヨタの低コストや高品質は、まさにこの社員一人ひとりの取り組みからできたのだと思います。

一方、豊田喜一郎が創業したこの会社、豊田家が長期に渡って経営に携わってきたことが社内の求心力になってきたことは確かでしょうけど、その経営手法が世界的に認められているかというと、正直 “Who is Toyoda?” という感じでしょう。

そんな中で現在社長を務める豊田章男氏。この不況を創業家の求心力で乗り切るという意図らしいですが、社員が置き去りになっています。しかもこの章男氏、アメリカのビジネススクールを卒業した後投資銀行に勤務して、その後トヨタ入社。投資銀行からトヨタに入る意味が私には全くわかりません。「俺豊田家の長男だし、トヨタ入っとけばいずれ社長になれるだろう」という下心が透けて見えます。案の定、リコール問題よりダボス会議優先。社員としてみれば、「こんな会社でやってられっか!」という感じでしょう。そもそも世界的に見れば、これだけの規模の上場企業の社長が半ば世襲のような形で決められているという事実だけで Unbelievable です。

 

今回のリコール、一番かわいそうなのはトヨタ社員ですね。

 

事態の収拾には、社長辞任しか無いでしょう。

開発哲学の大転換@パナソニック

久しぶりの書き込みになってしまいました。

先日の日経新聞によれば、パナソニックでは最近開発哲学の大転換を行っているらしいです。何でも「何があればより便利か」から「何があれば十分か」に転換するとか。

これって実はパナソニックに限らず、多くの先進的な企業で行われていると思うのは私だけではないでしょう。私の身近なところでは、Googleがまさにその1つですね。あのChrome OSを見たときは衝撃でした。本当に必要最低限しか無い。インドのTata Nanoも衝撃的でした。

でもパナソニックの転換はまだまだこれからかもしれません。最近ディーガを買いましたが、機能がてんこ盛りでもうグチャグチャ。しかも遅くてよく止まります・・・。頑張れ、パナソニック!

2010年1月25日月曜日

マウスピース

食いしばり対策として歯医者に作ってもらっていたマウスピース(ナイトガードというらしい)が、先週の土曜日に出来上がりました。 で、早速就寝時に装着。 ・・・何故か朝起きると頭痛。マウスピースが原因ではないかもしれませんが、とりあえず日、月と続いてます。 まぁ3、4カ月は毎日必ずやるようにとのことなので、もう少し頑張ってみますか。。

2010年1月23日土曜日

モバイルOSのプリエンプション

最近iPod touchを買いましたが、やはりすごく良いですね。

何が良いのか。やはり何といってもサクサクとした動作。私は他にも某社のモバイル端末を使っていますが、はっきり言って雲泥の差という感じ。

何がこの違いの原因なのか。それは恐らくOSの造りが根本的に違うからでしょう。iPod、iPhoneのOSは所謂ノンプリエンプティブマルチタスク、つまり同時に複数のタスクが実行されません。一方、Windows Mobileを含むWindows OS、Linux等は所謂プリエンプティブ、つまり複数のタスクを同時に実行します。(昔のWindowsはノンプリエンプティブでしたが…)

明かにプリエンプティブの方が優れているように思えますが、どうでしょう。

OS君の立場で考えると、プリエンプティブを実現するのはかなり大変。何ミリ秒単位でタスク切り替え処理が実行され、物凄いオーバヘッド。タスクを切り替えられるかどうかを制御するのも大変です。

そもそもプリエンプティブって、まだコンピュータがデカくて高価だった時代に、「皆で仲良く使いましょうね」という考えを実現するためにできた概念だと私は理解してます。それがいつの間に「パーソナル」コンピュータ (パソコン) 用のOSに使われるようになり、更にはモバイル端末にも広がりました。

一方プログラマの立場からすると、プリエンプティブを実現するのはかなり楽しいし、プリエンプティブでないOSなんてダサい。個人的には、エンジニアのこういうこだわりが、プリエンプティブなOSが半ば当たり前な現在の状況を作り出したんじゃないかと思ってます。

そもそも使う人間が一人である以上、頑張ってきちんとしたマルチタスクを実現する必要がどれ程あるのか。既存のOSを使い回したりプロセッサの進化を期待するのも良いですが、使う側が本当に必要なものは何かを見落とさないようにすることが大事ですね。

2010年1月14日木曜日

日経コミュニケーション 月刊化

「そんな雑誌知らん!」という人も多いかもしれませんが、NTTが民営化された1985年から日経BP社が月2回発行してきた『日経コミュニケーション』が、今年の5月から月刊化されるらしいですね。

私も2000年から購読していますが、当時はまだ専用線やフレームリレー、ATMなんていう通信サービスの話題ばかりだったのを覚えています。それが今となってはスマートフォンだのクラウドだのという話題が中心ですから、通信の世界も変わったものですね。一方で、未だにIMS (IP Multimedia Subsystem) なんていう話題でも盛り上がっているのを見ると、何だかホッとします。これはIMT2000の時から言ってますからね。


それが月2冊から月1冊に減るとは。表向きは「早くより深く」ということのようですが、実際のところはどうなんでしょうね?読者が減っているのでしょうか…。

2010年1月12日火曜日

大人げない大人になれ! 成毛 眞 著

昨日の日経新聞に広告が出ていたのが目に止まり、こんな本を読んでみました。

90年代のマイクロソフト日本法人の社長さんだった著者かつこのタイトルだから、よっぽどとんでもない内容だろうと予想していたんですが、意外にも(?)理路整然としていて、それでいて面白い本です。似たような内容の本としては、小倉広さんの「あたりまえだけどなかなかできない 33歳からのルール」の方が「とんでもなさ」では上を行っていたように思います。

成果を最大に上げるには、好きなことを好きなようにやる、興味があれば何でもやってみる、知らないことは強みである、目標を持ってはいけない・・・読んでいて、「そうか、それでいいのか」と、ある種の安心感を感じました。「子供」になって物事に熱中すべき。これは、私も4歳になる娘や8ヶ月の息子を見ていると、確かにその通りだと痛感します。特に娘は、興味を持ったものに釘付けになって、例えば絵本なら、まだ文字も読めないのにあっという間に全文を暗記してしまいます。「好きこそものの上手なれ」とは良く言ったものですね。

ゲーム業界の歩き方 石島 照代 著

就職活動をする学生向けに書かれた本ですが、お勉強としてこんな本を読んでみました。(^ ^;;)

前半は日本のゲーム業界を代表する面々のインタビュー、後半はゲーム会社の組織構成と、それぞれの組織で働く人たちのインタビュー、続いて著者の業界に対する考えが書かれています。恐らく著者の「コネ」なのか、元MS・現EA Sportsのマイケル・ムーアのインタビューや、私と同じ会社で働く〇〇さんも出ておりました。〇〇さん、なかなかカッコ良いこと言ってますねー。関係者は要チェックです。(^ ^;;)

就職本として考えると、この本はとてもよく出来ています。業界の動向だけでなく、若手社員が日々どのように働いているのかがよく分かります。また、給料のことや社風のことなど、普通知ることが困難な情報も満載です。必ずしもゲーム業界を推薦する訳ではありませんが (^ ^;;)、この本自体は就職活動をする学生にはかなりオススメできると思います。

2010年1月10日日曜日

食いしばり

今朝歯を磨いていたら、突然左上奥の歯の裏側に痛みを感じたので、すぐに近所の歯医者に駆け込みました。

診察の結果は、歯茎が後退してしまったことによる知覚過敏。以前から言われてはいたんですが、どうも私には歯をくいしばる癖があるようで、歯は磨り減り歯茎は後退し、挙句のはてに顎の骨も磨り減っているらしいのです…。

とりあえず寝ている間に使うマウスピースを作ってもらうことになりました…。しかし、歯科に行った3時頃の時点で頬の裏側に歯を食いしばった跡がクッキリ残っていたので、どうやら起きている間もかなり激しく歯を食いしばってしまっているようです…。よく考えてみると何となく自覚症状もあって、肩や首筋が常に凝っていたりしてました。

昔はこんなこと無かったのになぁ…。何とか直したいものです。

2010年1月6日水曜日

齋藤孝のざっくり日本史 齋藤 孝 著

先日の齋藤孝のざっくり!世界史に引き続き、今度は日本史です。

私個人の印象としては、日本史そのものよりも著者の主張の色が濃すぎます。これを読んで嫌悪感を抱く人も少なくないでしょう。

「大化の改新」や禅に対する解釈などの記述は良いのですが、「三世一身の法」に始まる土地に対する著者の考えは、ちょっと愚痴っぽいです。さらに「鎖国」に関しては、あらゆるものを「エロ」に結びつけようとしていて、はっきり言って下品。また、日本の文化全てが「鎖国」によって出来たように決めつけている記述も、ちょっとどうかと思います。「占領」に関する記述に至っては、思想的にちょっと危険とも思われるような記述もあります。

恐らくわかりやすくするためにポイントを絞ったのだと思いますが、そのポイントがかなり偏ってしまっていますね。歴史を理解するための本ではなく、あくまで歴史の一部に対する一つの意見として読むべき本だと思います。

脳に悪い7つの習慣 林 成之 著

ちょっと変わったタイトルに惹かれて、こんな本を読んで見ました。

著者は、日大医学部で博士課程を修了、マイアミ大学医学部の脳神経外科や同大学の救命救急センターに留学した後、日大病院の救命救急センター部長を務めた経験があり、北島康介さんをはじめとする北京オリンピック水泳代表にもアドバイスをしていたという人物。この経歴を見るだけでもそれなりに信憑性がありそうですが、中身も理路整然と、かつわかりやすく書かれており、著者の主張に対して十分納得のできる内容になっています。

著者によると脳に悪い習慣とは、

(1) 「興味がない」と物事を避けることが多い

(2) 「嫌だ」「疲れた」とグチを言う

(3) 言われたことをコツコツやる

(4) 常に効率を考えている

(5) やりたくないのに我慢して勉強する

(6) スポーツや絵などの趣味がない

(7) めったに人をほめない

の7つだそうです。これらの主張の根拠となるのは、脳の「自己保存」や「統一・一貫性」を求める機能の2つ。脳は本能的に「自分を守ろうとする」「統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとする」らしいです。

例えば、(3) 言われたことをコツコツやる や(4) 常に効率を考えている というのには「ええっ!?」と思ってしまいますよね。しかし、これらも上記の脳の2つの傾向で説明ができるというのが、著者の主張です。前者については「コツコツ」というような姿勢は脳の「自己保存」の傾向から、進歩がとても遅くなってしまうということ、後者については、決断や実行を急いでばかりいると、と脳の「統一性・一貫性」を好む傾向から、一つの考え方から抜けられなくなり、独創的な考え方ができなるなるということですね。

でも、実はそんなに難しいことを言っている訳ではないということが、著者のあとがきの以下の記述からわかります。

「人に興味を持ち、好きになり、心を伝え合い、支え合って生きていく。『違いを認めて、共に生きる』ことこそ、脳が望んでいる」