今回は今でも話題のこの本をご紹介。かなり前に読んでいたのですが、なかなかここに書くことができておりませんでした。 今でこそかなり売れたので問題ありませんが、ちょっと書店で手に取るのが憚られる表紙ですね。でも中身はもちろん変な内容ではありません。
この本、なんと著者は「AKB48」のプロデュースをしていた人。内容も実際のAKB48のメンバーをモデルにしているらしいです。
もはや説明するまでもないですが、本書はこの本の内容を高校野球の運営に適用して、小説風にまとめたものです。ドラッカーの本は、もともと内容が抽象的かつ翻訳本なためかなり敷居が高いですが、この本はそれこそこの内容を必要とする人は誰でもスラスラ読めるのではないかと思います。
ポイントはかなり絞られていて、ドラッカーの思想のホンの一部しかカバーされていませんが、かなり重要なところは押さえているんじゃないかと思います。触れられている主なポイントとしては、おおよそ以下のような感じでしょうか。
1.マネージャに求められる資質(真摯さ)
2.「顧客は誰か」
3.「マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない」
4.働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠
5.「専門家」と「マネージャ」の役割の違い
6.成長には準備が必要
7.人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結び付け、人の弱みを中和すること
8.「人は最大の資産である」
9.自己目標管理
10.イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。
11.マネジメントの三つの役割(組織の目的を果たす、働く人たちを生かす、社会の問題について貢献する)
12.「マネジメントの正当性」-人の強みを生産的なものにする
13.成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。
14.組織には、それ以下では存続できないという最小規模の限界が産業別、市場別にある。逆に、それを超えると、いかにマネジメントしようとも繁栄を続けられなくなるという最大規模の限度がある。
15.市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である。
16.新市場、特に大きな新市場は、共有者が一社よりも複数であるほうが、はるかに早く拡大する傾向がある。
17.集中することによって、(アルキメデスは)初めて世界を持ち上げることができる。
18.成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降級、解雇など人事に関わる意思決定こそ、最大の管理手段であることを認識する必要がある。
また、それぞれのポイントについて、実際に野球部で適用していく過程が描写されており、ドラッカーの本を既に読まれている人でも「あぁあれはこういうことが言いたかったのか!」という気づきが得られるのではないかと思います。
ただ、正直なところ「こじつけ」なところも少なくないように思えます。何だか情報処理技術者試験の論文試験の解答のように感じられなくも無くなはいです(どっちや!)。
いずれにしても、表紙を見て引いてしまっていた人も含めて、ぜひ一読されることをお勧めしたい一冊ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿