ちょっと変わったタイトルに惹かれて、こんな本を読んで見ました。
著者は、日大医学部で博士課程を修了、マイアミ大学医学部の脳神経外科や同大学の救命救急センターに留学した後、日大病院の救命救急センター部長を務めた経験があり、北島康介さんをはじめとする北京オリンピック水泳代表にもアドバイスをしていたという人物。この経歴を見るだけでもそれなりに信憑性がありそうですが、中身も理路整然と、かつわかりやすく書かれており、著者の主張に対して十分納得のできる内容になっています。
著者によると脳に悪い習慣とは、
(1) 「興味がない」と物事を避けることが多い
(2) 「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
(3) 言われたことをコツコツやる
(4) 常に効率を考えている
(5) やりたくないのに我慢して勉強する
(6) スポーツや絵などの趣味がない
(7) めったに人をほめない
の7つだそうです。これらの主張の根拠となるのは、脳の「自己保存」や「統一・一貫性」を求める機能の2つ。脳は本能的に「自分を守ろうとする」「統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとする」らしいです。
例えば、(3) 言われたことをコツコツやる や(4) 常に効率を考えている というのには「ええっ!?」と思ってしまいますよね。しかし、これらも上記の脳の2つの傾向で説明ができるというのが、著者の主張です。前者については「コツコツ」というような姿勢は脳の「自己保存」の傾向から、進歩がとても遅くなってしまうということ、後者については、決断や実行を急いでばかりいると、と脳の「統一性・一貫性」を好む傾向から、一つの考え方から抜けられなくなり、独創的な考え方ができなるなるということですね。
でも、実はそんなに難しいことを言っている訳ではないということが、著者のあとがきの以下の記述からわかります。
「人に興味を持ち、好きになり、心を伝え合い、支え合って生きていく。『違いを認めて、共に生きる』ことこそ、脳が望んでいる」
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