本屋に重ねられていたのを見て、つい買ってしまいました・・・。
題名からして、今はやりの「頭がよくなる」とか「超~法」というもので、他の類似書籍とあまり変わらないかなという先入観もありました。しかし、本書では著者の佐々木氏が苦労して速読法の原理、つまり、既に速読ができている人とそうでない人の脳の働きの違いを具体的に説明しており、非常に説得力があります。しかもそれは結局フォトリーディングやフォーカスリーディング等の手法に繋がるもので、「なるほど、こういう原理でフォトリーディングができるようになるのか」という新たな発見がありました。
特に具体的に「なるほど」と思ったのは、読書における脳の使われ方です。ちょっとネタばれになってしまいますが、本書では速読できる人とそうでない人の大きな違いとして、頭の中で「声に出して」読んでいるかそうでないかが挙げられます。その違いは、前者における情報の流れが、
脳の視覚野→左脳角回→ウェルニッケ野→視聴野→
ウェルニッケ野→左脳角回→右脳後頭部
という順序で情報が流れるのに対して、後者における情報の流れが、
視覚野→左脳角回→右脳後頭部
というように、脳の回路の一部をショートカットするという点であると述べられています。しかも、右脳の力は左脳の数十倍あるということがわかってきていますので、迅速に右脳に情報が伝達されるというのは、右脳の力を十分に発揮するのに効果的であるということなのです。
これをメソッドとして行っているのが、フォトリーディングでありフォーカスリーディングであり、本書で紹介されている速読法で、結局原理はすべて同じであることがわかります。
ではそういう読書の方法に切り替えるにはどうしたら良いか? 本書では、小学校・中学校くらいの時期に多くの読書、特に小説など想像力を使うようなものを数多く読むということ、また、想像力を高めるために読書以外のより多くの経験を積む、ということが挙げられています。ただ、これらについては大人になってからでも十分できることだということも付け加えられていますので、興味のある方はぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
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