2008年11月6日木曜日

人はなぜ形の無いものを買うのか

さて、早速ですが本日の一冊です。



情報通信サービスにおいて、その課金方法についてはいろいろと議論がありますが、本書では特にYouTubeやニコニコ動画などのコンテンツサイトやSNS、オンラインゲームに関して、統計調査の結果も引用しながら、それらのビジネスのあり方について議論しています。

特に面白かったのは、前半の形のないものに対してユーザは何を求めているのかの分析の部分。多くのユーザにとっては、コミュニティへの帰属意識が満足や癒しに繋がっている一方で、コミュニティに対して適度な距離感を保ちたいと思っているようです。

また、課金方法として、従来の従量課金や定額制の是非、コンテンツ課金(アイテム課金)について、それぞれのメリット・デメリットも分析されています。いずれにしても、ユーザがサービスを継続的に利用するということが重要で、それを実現するためのUCC(ユーザ・クリエイト・コンテンツ)の意義が述べられています。特にYouTubeとニコニコ動画のビジネスモデルの違いの部分は「なるほど」と思わせるものがありましたが、まだまだ今後の動向を中止する必要はありそうです。

ただ後半部分は、ビジネスの可能性としてRMT(リアル・マネー・トレード)の是非が語られているのですが、著者のオンラインゲームに対する個人的な思いが出てしまっていることが否めないように私は感じました。冗長な内容が多く、オンラインゲームをやらない私にとっては、内容を十分に噛み砕くのが難しかったというのが、正直なところです。

いずれにしても、こういう観点で書かれた書籍は世の中になかなか存在しないので、こうした分野に関連するお仕事をされている方は、一度目を通してみると良いかもしれません。

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