2009年1月22日木曜日

30歳からの成長戦略 「ほんとうの仕事術」を学ぼう 山本真司著

今回は、某外資系経営コンサルティング会社で15年のキャリアを積まれた山本真司さんの本を読んでみました。



本書の前半では、成長するためにはどんな仕事をすれば良いかについて、周囲から期待される成果と自分の仕事力の2つの軸で分類し、期待成果と仕事力の高いタスクを最優先にし、期待成果が低く仕事力が高いタスクを2番目、期待成果が高く仕事力が低いタスクの優先度を最低にすることが述べられています。自分の仕事力が低い領域のタスクで頑張ったとしても、他者と差別化できず高い評価が得られないためです。30歳からは成長より差別化が重要ということでしょうか。

また、ビジネススクールで学ぶようなマネジメントスキルは習得すべきだが、それに費やす時間は最小限にとどめるべきと著者は語っています。これは勝間さんをはじめ多くの方も主張されていますが、やはりアウトプットを主眼に置いた学習が必要であるということですね。ファイナンスやマーケティング等の知識習得にいくら時間をかけても、それを使ってアウトプットを出さなければ使い物にならないでしょう。実際には、多くのビジネススクールの授業でも、基本概念にあまり触れず、ケーススタディでの議論に重きを置いています。

最後に著者が主張しているのは、論理的思考法と全体的思考法、欲と無欲のコントロールについて。例えば、世間ではロジカルシンキングがもてはやされていますが、それだけでは実際のビジネス上の問題を解決することはできず、ビジネスを行う人間の感情も含めた全体も見る必要がある、ということです。また、自己主張欲については、モチベーション保持には重要だが、強すぎると他を受け入れられなくなる、ということですね。

しかし著者は、それぞれ対極にあるこれら2つの関係について、単純に足して2で割り妥協するというようなことは避けるべき、と主張しています。2つの別々の視点をそれぞれ合わせ持ち、片方からもう片方にキャッチボールをするように検討すべきとのこと。何だか哲学的ですね。

いずれにしても、他の自己啓発本とは一線を画する本です。興味のある方は読んでみては如何でしょうか?

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