2009年9月27日日曜日

ザ・ファシリテーター 森 時彦 著

今回は、多くのビジネススクールで教材として扱われているあの名著ザ・ゴールと同じシリーズとして発行されている、以下の本をご紹介します。

この本には、会社の組織改革に若手の女性リーダーが取り組む中で、如何にファシリテーションのツールを生かしていくかが、小説風に描かれています。意見を整理したり議論を促進したりするためのツールだけでなく、早い段階でグループのメンバーが打ち解けて本音の議論をできるようにするためのアイスブレイクの手法や、激しい議論が個人の対立になってしまうことを避けるための手法など、組織の高度なコミュニケーションを実現するのに役立つ情報が満載されています。これらの情報は、知識として知っているだけではなかなか使いこなせませんが、本書では物語の中でどのように生かすべきかを感じ取ることができるので、おススメできる一冊です。

しかし、「作られた話」という感が否めないというのも確かです。ここまで上手くいくケースに現実でめぐり会うのは、ほぼ不可能でしょう。また、ザ・ゴールは、紹介しようとしている手法の話だけでなく、本当に小説として面白くするための設定が数多くなされている一方で、本書はケーススタディの域を出ていないかもしれません。まぁ世界の名著と同レベルのものを求める方が無理ということでしょうか…。

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